報連相ってなに?
「報連相(ホウレンソウ)」とは「報告」「連絡」「相談」の略で、会社において組織が円滑に機能するために不可欠な3大コミュニケーションのことです。
・報告 上司から指示された仕事の結果や、上司が知っておくべき情報を伝えること
・連絡 会議の予定や交通安全の励行など、対象者に周知すべき情報を伝えること
・相談 アドバイスや事前の調整を目的とした、双方向で情報をやりとりすること
報連相が大切なワケ
会社が組織である理由
冒頭で、報連相は組織を円滑に機能させるツールと述べましたが、それではなぜ会社は組織を作るのでしょうか?
このことについて、経営学者のP.F.ドラッガーは「組織とは、個人が欠点や不得手をお互いにカバーすることで最大の成果をあげるために存在する」と述べています。
人間がひとりでできることには限りがありますが、複数の人が集まって組織を形成することで、頭数以上の相乗効果を生み出すことができるのです。
組織は内部崩壊に弱い
一方で組織は他人の集合体ですから、社内コミュニケーションの質が組織の運営に大きな影響を及ぼします。
組織とは、外部の脅威にはメンバーが一致団結して対抗しようとしますが、内部の不協和音にはとても脆弱で、いとも簡単に崩壊してしまうものです。
そして不協和音の原因の多くが、社内コミュニケーションすなわち報連相が上手く機能していないことによります。
報連相の達人になる5つのポイント
事実と意見を混同しない
報告と連絡は、特に指示の無い限り、事実のみを端的に伝えるものです。
ちょっと厳しい言い方ですが、相手は的確な判断を下すために、知識も経験も浅い新入社員の意見よりも、まずありのままの事実を知りたいものです。
どうしても意見を添えたい時は、「これは私の意見ですが…」ときちんと断ってから伝えましましょう。
客観性をもたせる
報連相では「すごく」とか「たくさん」といった主観的で抽象的な表現を避け、「正社員が120名」というように、事実を具体的な数字でもって伝えましょう。
自分にとっては「120名」が「たくさん」に感じたのかもしれませんが、経験豊富な上司から見ると「120名」は決して多くない人数である場合もあります。
報連相の前には、必ず事実(5W2H)と数字の裏付けを整理するようにしましょう。
結論から先に伝える
多忙な上司にとって、「話の的を得ない報連相」にダラダラと付き合わされるくらい迷惑なことはありません。
ですから報連相に際しては、報告なのか、連絡なのか、相談なのか、まず自分の目的を明確に上司に伝える必要があります。
そして最初に結論を述べてから、詳細について説明するようにしましょう。
簡潔に要点をまとめる
仕事の遅い人は、説明やメールの文章が長いという特徴があります。
話やメールが長いのは、情報のポイントが整理されておらず、相手が必要とする情報の優先順位づけができていないからです。
そしてこの傾向はそのまま仕事にも当てはまります。
日ごろの報連相を通じて、要点を簡潔にまとめる習慣をつけておけば、コミュニケーションスキルが上達するだけでなく、仕事の能率もアップします。
マクロからミクロへ説明する
先の話と重複(ちょうふく)しますが、相手が理解しやすい報連相のコツは、要点から詳細へ、つまりマクロからミクロへと掘り下げて説明してゆくことです。
多くの上司は、まず全体像と要点をつかんでから、必要な項目について詳しく知りたいと考えるものです。
そこを無視していきなり枝葉末節のことから話し始めても、上司は困惑するだけです。
報告書作成のテクニック
報告書の基本パターン
新入社員に限らず報告書の作成が苦手という方は結構多いものです。
しかし報告書にはおきまりのパターンがあって、これさえ知っていればスムーズに報告書を作成することができますので、ぜひ覚えておきましょう。
<報告書作成の基本ルール>
・事実を書く(指示があれば最後に私見を述べる)
・結論を先に伝える
・回りくどい表現を避け、言いたい事を端的に伝える
・具体的な名称や数値を用いる
・憶測、推測は書かない
<報告書のパターン ”PREP” >
・Point (結論)〇〇は◇◇です
・Reason (理由)なぜなら△△だからです
・Example (事例)例えばA社は△△でした
・Point (結論)だから〇〇は◇◇なのです
(報告書の例)
人事部 〇〇部長
新人研修実施報告書
標記の件について下記の通り報告します。
・実施日時 2019年4月〇日(〇)10時30分~16時30分
・研修会場 本社2階大会議室
・参加者 2019年度入社新入社員6名
・研修内容 ビジネスマナー講習
・担当講師 ビジネストレーニングセンター(株)トレーナー 〇〇〇〇氏
・研修方式 座学による講習会とロールプレイングを取り入れたワークショップ併用
・実施費用 講師謝礼50,000円
・備考 受講生名簿、講習カリキュラム、個別の感想文は別紙資料のとおり
以上
報告日 2019年4月〇日
報告者 人事部 教育研修課長 〇〇〇〇
「起承転結」は日本特有のストーリー展開ですが、ストーリーの途中で論点がガラッ変わることは、外資系企業では理解されないことが多いようです。
稟議書(起案書)も知っておこう
稟議書とは契約、購入、採用など、担当者レベルで決裁(決定)できない事項について、会社の承認を得るための社内公文書です。
原則として契約や購入は会社名義で行いますので、稟議書(起案書)は会社の意思決定の証拠書類でもあります。
よって改ざん防止のために、総務課で管理番号を附番(ふばん)し、書庫などに施錠して保管することが一般的です。
<稟議書(起案書)の様式>
① 起案者とは稟議書の作成者(発案者)です
② 起案日は稟議書の作成日、決裁は承認日、施行は承認事項の実施予定日です
③ 起案内容について決裁者の承認欄です
※全員の承認印が揃わなかった場合は、不承認の理由を確認し、必要な修正を行って再起案します。
④ 起案事項の件名
⑤ 起案事項のWhat(何を)
⑥ 〃 Why(なぜ)
⑦ 〃 How(どうやって)
⑧ 〃 How much(いくらで)
※原則として稟議書は1枚にまとめ、詳細は「別紙資料参照」とします。
報連相上手は得をする
極論すると、職場におけるコミュニケーションは報連相で成り立っているといっても過言ではありません。
そして報連相に長けた人ほど、スムーズに仕事を進めることができます。
なぜかと言うと、ひとりでもできる仕事は、しょせん「作業」に過ぎず、付加価値を創造するような本来の意味での「仕事」は、多くの人との協働が不可欠だからです。
そして協働を促進するための必須スキルが「報連相」なのです。
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参考
人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由
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ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。
人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!
フィナンシャル・プランニング技能士3級
税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。
ビジネス実務法務検定3級
世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。
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