新入社員の教科書

新入社員の教科書⑲ 悲報!ハラスメントは救われない


ハラスメント大国ニッポン

 

職場イジメを受ける男性社員

ハラスメントは他人事ではない

平成29年に全国の都道府県労働局へ寄せられたパワハラ相談件数はなんと7万件超、そしてセクハラ相談件数も6万件超におよびます。

日本のサラリーマン人口がおよそ5,800万人ですから、300人に1人がどこかの職場でパワハラやセクハラの被害に遭って労働局へ駆け込んだ計算になります。

実際には一人で悩んでいたり、泣き寝入りしたケースを含めると、はるかに多い数のサラリーマンが、ハラスメントの被害に遭っていることは想像に難くありません。

 

 

ハラスメントを助長する社会風土

よく日本は閉鎖的なムラ社会と言われますが、確かに日本人には職場でも学校でも、特定の人をターゲットにして村八分にし、寄ってたかってイジメるような陰湿さがあります。

こういった人権意識の希薄さや、他人への寛容さの無さというものは、悲しいことではありますが日本人の国民性なのかもしれません。

 

パワーハラスメント

 

パワハラを受ける女性社員

パワーハラスメントの定義

厚生労働省ではパワーハラスメントについて以下のように定義しています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など、職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的、身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為。(引用元「厚労省あかるい職場応援団」)
  • 「職場内での優位性」とは、上司や先輩に限らず、陰で現場を仕切っている部下や後輩など、目下の者も含まれます
  • 「業務の適正な範囲を超えて」とは、業務に関係のないことを引き合いに、相手を責めたり、侮辱したりするようなことをいいます
  • 「職場環境を悪化」させるというのは、誰かを攻撃することによって、職場の雰囲気を悪くする行為をいいます

 

パワーハラスメントの6類型

1.身体的な攻撃 身体を叩く、蹴る、物を投げつける
2.精神的な攻撃 暴言を浴びせ執拗に叱責する、同僚の前で侮辱する
3.人間関係からの切り離し 職場内で孤立するように仕向ける
4.過大な要求 物理的に処理できない仕事の分量や期日を指示する
5.過少な要求 本人の能力や経験をはるかに下回る雑用を強要する
6.個の侵害 家族や交友関係などプライベートに介入する

 

パワハラに関する法律

これまでは「指導」と「パワハラ」の区別が難しいという、経団連などからの強い要望によって、パワハラを禁止したり、企業にパワハラ防止を義務付ける法律がありませんでした。

しかし、パワハラによる精神疾患や自殺の増加を受け、ようやく2020年から企業に対してパワハラ防止対策を義務化する法律が施行されることになりました。

就業規則にパワハラの定義と禁止条項を盛り込むことを義務化するだけで、法律でパワハラ行為を禁じたり、加害者や企業を処罰するものではありません

 
 
 

セクシャルハラスメント

 

宴席でセクハラを受ける女性社員

セクハラと性犯罪は紙一重

大手有名ゼネコンの男性社員が、会社訪問に来た女子就活生に対し、個別指導と称して自宅に連れ込んで強姦するという卑劣極まりない事件が起きました。

日本には昔から職場の宴席において、男性の顧客や幹部社員の隣に若い女性社員を座らせ、お酌を強要するといったように、セクハラを容認する風土があります。

また上役や先輩の言う事であれば、それがたとえ理不尽な要求であっても、黙って受け入れるのが美徳であるという、「体育会系」文化もあります。

前述の強姦事件は、こういった日本特有の組織風土によって、起こるべくして起こった痛ましい事件だったように思われます。

 

 

セクシャルハラスメントの定義

厚生労働省はセクシャルハラスメントを以下のとおり定義しています。

職場において行われる、労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、労働条件について不利益を受けたり、性的な言動により就業環境が害されること(引用元「厚労省 都道府県労働局雇用均等室」)
  • 「職場」とは、自社の就業場所のみならず、取引先や得意先および出張先や業務の延長線上にある酒席なども含まれる
  • 「労働者」は正規、非正規を問わず、事業主が雇用する全ての労働者をいい、また派遣労働者についても同様の扱いとなる
  • 「性的な言動」とは性的な質問や冗談、食事やデートへの執拗な誘い、性的関係の強要、身体への接触、わいせつ図画の配布や掲示、強制わいせつ行為、強姦などをいう
 

セクハラの2つのパターン

対価型セクハラ

「対価型セクハラ」とは、性的な言動を拒否したことに対して、解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進昇格からの除外、不利な配置転換などを行うことをいいます。

環境型セクハラ

「環境型セクハラ」とは、身体への接触、性的な情報を意図的に流布する、職場に性的な図画を掲示する、等によって職場環境が悪化し、仕事に悪影響が生じることをいいます。

 

セクハラに関する法律

「セクハラなどという犯罪はない」と放言した大臣がいましたが、実際のところ、日本にはセクハラを禁止する法律はありません。

現在あるのは厚生労働大臣の「セクハラ防止のために事業主が講ずべき措置10項目」というガイドラインだけで、セクハラ加害者や会社を処罰することはできません。

1.セクハラとなる行為とセクハラを禁止する方針を社内で明確にし、全労働者に周知すること
2.セクハラ加害者に対して懲戒を行う旨と懲戒内容を就業規則に定め、全労働者に周知すること
3.セクハラ相談窓口を定めること
4.セクハラ相談担当者がセクハラの内容や状況に応じて適切に対応できるようにすること
5.セクハラの事実関係を迅速かつ正確に確認すること
6.事実確認ができた場合、被害者に対してすみやかに配慮を行うこと
7.事実確認ができた場合、加害者に対して適正な処分を行うこと
8.再発防止に向けた措置を講ずること
9.相談者や加害者のプライバシー保護に必要な措置を講じ周知すること
10.相談したことや事実関係の確認に協力したことに対して不利益な取り扱いをしないこと

 

ハラスメントにあったら…

 

上司に喰ってかかる男性社員

上司に相談する

社内でパワハラやセクハラに遭ったら、まず直属の上司に相談することになりますが、当の上司からハラスメントを受けていたら元も子もありません。

もし直属の上司が加害者の場合は、その上席者に相談してください。ただし録音データやメール、同僚の証言などの客観的証拠をしっかり用意しましょう。

 

社内通報窓口を利用する

従業員が安心して働けるように、企業は社内に内部不正の通報窓口を設置し、通報者に対して不利益となる扱いをしてはならない、と公益通報者保護法に定められています。

ただしハラスメントが蔓延しているような会社では、通報窓口を設けていなかったり、窓口責任者がハラスメントの加害者であるケースもあるので、信頼できるかどうかの見極めが必要です。

 

労働基準監督署へ通報する

労働基準監督署は労働基準法違反に対して、臨検(捜査)や是正指導を行いますので、ハラスメントには介入しません。

ただしハラスメントによって違法な長時間残業を強要されたり、また被害者が労働災害に遭った場合は(あくまでも労働基準法違反に基づいて)動いてくれます。

 

都道府県労働局に駆け込む

都道府県労働局は、労働者個人と使用者との「個別労使紛争」を解決する「個別労使紛争解決制度(ADR)」の窓口です。

ADRは、個別労使紛争に対して、「助言」「指導」「あっせん」の3ステップで仲裁してくれるものですが、ハラスメントそのものを仲裁してくれる訳ではありません。

 

労働組合に加入する

社内の労働組合もしくは社外の地域ユニオンに相談してみましょう。労働組合には労働問題を専門とする心強い顧問弁護士もいます。

使用者との団体交渉を通じて、ハラスメントを容認・放置したことに対する使用者責任や安全配慮義務違反を追及し、労働環境の是正を要求してゆくことになります。

 

 

 

ハラスメントの不都合な真実

 

退職届を叩きつける女性社員

ハラスメントは救済されない

現在の日本のハラスメント対策については、厚労省から「ハラスメント禁止規定を就業規則に明記して社員に周知せよ」というガイドラインが示された段階です。

ハラスメント行為が犯罪として法制化されていないということは、加害者に対する罰則もなく、企業が直接的に責任を問われることもありません。

ハラスメント罪が法制化されない限りは、いくら厚生労働省がハラスメント対策のポーズを取っても、なんの救済にもならないことは知っておいて下さい。

 

いつでも退職できる準備を

我々が採るべき自衛策は、いつでも退職できるように、実務能力を磨き、専門性を高め、有用な社外人脈を構築し、副業を行って有事の際の活動資金を蓄えておくことです。

また公的な補償(失業給付や年金および保険料の減免など)を有利に受けるために、ハラスメントの証拠はしっかりと収集しておいてください。

まったくスッキリしない終わり方で申し訳ないのですが、ハラスメントについてはこれが日本社会の現実なのです。

END

 

 

 

参考

人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
オンスクJPなら月額1,078円(税込)で何講座でもウケホーダイ!

新社会人が検定資格を狙うべき理由

世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。

そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。

「じゃあどうすればいいの?」という人のために、筆者は検定資格を勧めています。検定資格であれば年に2~3回受験できますし、1~2ヶ月くらいの学習期間で短期合格も充分アリなので達成感もあります。

ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。

人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!

フィナンシャル・プランニング技能士3級

税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。

ビジネス実務法務検定3級

世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。

日商簿記検定3級

企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。

ITパスポート試験

今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。

コスパ最強の検定試験学習ツール「オンスクJP」のご紹介

これら4つの検定資格をいかに効率的に取得するか?ということですが、検定試験の学習ツールとして筆者のイチオシがオンスクJPです。

オンスクJPであれば月額1,078円(税込)で、50種類以上の講座がいくらでもウケホーダイなので、なるべくコストをかけずに資格を取りたいという方にピッタリです。

さらに資格の学校TACのノウハウが凝縮された充実の講義をスマホやパソコンで視聴でき、1講義プラス復習テスト機能つきのコンテンツが1コマ10分間に収められているため、通勤や休憩などのスキ間時間を有効に活用しながらしっかりと理解を深めることができるスグレモノの学習ツールです。

筆者推奨の4つの検定資格もしっかりとカバーされていますので、オンスクJPを活用しない手はありませんね!

様々な資格学習が980円でウケホーダイ!【オンスク.JP】
スキマ時間を有効活用できる【オンスク.JP】

この記事が気に入ったら
シェアしてくださいね~

Twitter で

-新入社員の教科書
-, ,

© 2022 人事部プロフェッショナルマニュアル