新入社員の教科書

新入社員の教科書㉓ 決算書は事実を語る(BS編)


決算書のキホン

 

粉飾決算の男性社長

決算書は経営の羅針盤

決算書とは経営の成績表で、正式には「財務諸表」といいます。経営者は決算書を通して自社の経営状況を客観的に把握し、その結果を来期の事業計画に活かすことで、持続的に経営の質を高めてゆくことができるのです。

つまり決算書とは、マーケットという大海原を安全に航海するための、いうなれば船舶の「羅針盤」のような役割を担っています。

 

決算書は日常業務の集大成

みなさんは「決算書」と聞くと、自分達にはあまり関係のない、経理部門の話…というようなイメージを持たれるかと思います。

しかし皆さんが日ごろ記入している営業報告書や棚卸伝票、また事務用品の購入申請書など、各部署から上がってくる諸々の伝票を集約したものが決算書なのです。

 

財務会計と管理会計

決算書は作成方法によって2種類あります。

ひとつは「財務会計」といって、税務署に税務申告をしたり、金融機関から融資を受けるために作成するものです。これは企業会計原則や商法、税法のルールに則って作成されます。

もうひとつは「管理会計」といって、社内で業績を管理するために作成するものです。様式は自社にとって使いやすければ、特にルールはありません。

 

会計の7原則

決算書は7つの大きな原則(「会計の7原則」)に則って作成されます。

真実性の原則 粉飾しない
正規の簿記の原則 複式簿記を用いること
資本取引と損益取引区別の原則 資本金と利益を混同しないこと(注1)
明瞭性の原則 不明瞭な勘定科目を使わないこと(注2)
継続性の原則 年度ごとに会計ルールを変更しないこと
保守主義の原則 引当金は多めに見積もること(注3)
単一性の原則 提出先によって決算書の内容を変えないこと

(注1)資本金を取り崩して利益に見せかけ、株主に対して不当に配当することを禁止しています
(注2)売上や費用など、決算書に表示されている項目のことです
(注3)売掛金の回収不能や退職金支払など、将来の高額な支出に備えて資金を積み立てておくものです

 
 

決算書の種類

主な決算書は「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等変動計算書」です。

本シリーズでは、決算書の代表格である「貸借対照表」「損益計算書」の2つを解説します。

 

貸借対照表(BS)

「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」は、年度末における会社の資産総額を表す決算書で、BS(Balance Sheet バランスシート)とも呼ばれます。

貸借対照表の略図01

これは貸借対照表の略図ですが、左側に会社の資産リスト、右側に資産を取得するのに使ったお金の出どころ(自己資金や借金)を表示しています。必ず左右の残高が一致するので、バランスシートと呼びます。

なお負債がふくらんで、バランスシートの右側が左側を上回った状態を「債務超過」といい、利益をマイナス表示(損失)してバランスさせます。

簿記のビギナーは、なぜ資産が「借」で、負債が「貸」なのか戸惑うことが多いですが、これは複式簿記が銀行簿記から派生したからだ…という説があります。たしかに銀行側からは、資産(預金)は「借」で、負債(借金)は「貸」ですね。

 
 

損益計算書(PL)

損益計算書(そんえきけいさんしょ)は、1年間の会社の営業成績を表す決算書で、略してPL(Profit & Loss statement プロフィット&ロス)ともいいます。

損益計算書の略図01

右側に1年間の売上高、左側に売上をあげるために使った費用と、その結果得られた利益の額を表示します。

ちなみに費用が売上高を上回っている状態を「赤字決算」といい、売上高からハミでた部分をマイナス表示(損失)します。

 

貸借対照表(BS)の使い方

 

銀行から融資を受ける男性社長

貸借対照表の基本知識

貸借対照表をもう少し詳しく整理するとこのようになります。

貸借対照表の略図02

左側の資産項目は「当座資産」「流動資産」「固定資産」の3つに、また右側の負債項目は「流動負債」「固定負債」「資本金」「当期純利益」の4つに分けられます。(資本金と当期純利益も細かく分類できますが、本シリーズでは取り扱いません)

 

資産項目

当座資産 現金や普通預金など、すぐに資金として使える資産
流動資産 売掛金など、一年以内に資金化できる流動性のある資産
固定資産 定期預金、土地や建物など、長期的に保有している資産

当座資産と流動資産に分類せずに、流動資産にまとめている会社もあります。

 
 

負債項目

流動負債 短期借入金、未払金、仮受金、預り金など1年以内に返済する負債
固定負債 長期借入金など1年超の期間で返済してゆく負債

貸借対照表の特徴的なルール

ワンイヤールール

「流動資産と固定資産」もしくは「流動負債と固定負債」のように、「流動」か「固定」かで資産や負債を区別するのが貸借対照表の特徴的なルールです。

これは資産にしても、負債にしても、すぐに使える(返済する)ものと、そうでないものとでは、経営上の意味合いが全く違ってくるからです。

「流動」か「固定」かは、「一年以内かどうか」で分類しますが、これを「ワンイヤールール」といいます。

 

実現主義

貸借対照表では、資産や負債の増減について、実際に入出金が行われたタイミングで計上するルールになっており、これを「実現主義」といいます。これは決算日(3月31日)をまたいで、都合の悪い数字を見込みでもって、前後に操作できないようにするためです。

 

貸借対照表の使い方

貸借対照表の目的は、会社の安全性をチェックするためです。当面の借入金の返済資金は大丈夫なのだろうか?新しい工場を新築したいが、どれくらいまで借入を増やしても大丈夫だろうか‥‥等々。

決算書を使って会社の安全性や収益性などを分析することを「財務分析」といいますが、貸借対照表を使ったもので最もポピュラーなものを2つご紹介します。

<流動比率分析>
・目的 向こう1年くらいの借入金の返済能力をチェックします。
・数式 「流動比率(%)」=「流動資産」÷「流動負債」×100
・備考 流動比率が120%を切ると借入金の返済資金が厳しくなってきます。

<固定比率分析>
・目的 固定資産の取得費をどれくらい自己資金で賄っているかチェックします。
・数式 「固定比率(%)」=「固定資産」÷「自己資本(資本金+当期利益)」×100
・備考 固定比率が100%を超えると、身の丈以上の設備投資をしていると言えます。

 
 
 

決算書は事実を語る

 

荒波を進む船

人間というものは、長年、同じ環境にいると、どうしても既得権益にどっぷりと浸かってしまい、入社当時に抱いていた熱いミッションを見失ってしまうものです。

しかし、これからの日本に必要なのは、社内を器用に泳ぎ回るだけの世渡り上手などではなく、謙虚に「事実」を受け止め、ステークホルダーのために真摯に働ける人材です。

もし自分の仕事の方向性がブレてきたな…と感じたら、いまいちど「羅針盤」を見つめ直し、ミッションの原点に立ち還る勇気が必要です。

頑張ってくださいね!

END

 

参考

人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由

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ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。

人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!

フィナンシャル・プランニング技能士3級

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ビジネス実務法務検定3級

世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。

日商簿記検定3級

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