投資の正しい知識を学びましょう
貯蓄で老後も安心?
今や金融機関に預金を開設しても、スズメの涙ほどの利息しか得られず、貯蓄だけでは資産を増やすことはできません。
また昨年は厚生労働省の賃金統計に不正があったことが発覚し、実際の賃金は年々下がり続けていたことが判明しました。
このような状況では、「老後に備えて給与をコツコツと貯蓄して…」などという従来の資産運用の常識はもはや通用しません。
投資とギャンブルは違う
むしろこれからは手元の資金をいかに有利に運用するか、つまり投資家意識をもって資産運用を考えてゆく必要があります。
一方で日本の学校教育では「お金の扱い方」について学ぶ機会が無く、「投資」と聞くと「ギャンブル」を連想する人が未だに多いのも事実です。
そこで今回は株式や債権に関する投資の基本について解説します。
資産運用の知恵(投資編)
株式投資の基礎知識
株主と株式
「株主」とは株式会社の出資者でありオーナーでもあります。そして「株式(株券)」とは、株主の出資証明書みたいなものです。
株主は創業者やその親族、メインバンクや主要取引先、一般投資家などです
株式売買のしくみ
株式会社を設立する際、もしくは経営資金を調達(増資)しようとする時に、株式会社は株式を発行(販売)して出資者を募集します。
株式は「証券会社」を通して「証券取引所(株式市場)」で売買され、株式の販売代金が会社の資本金となります。
ただし全ての株式会社の株式が、株式市場で取引される訳ではありません。株式市場で自社の株式を売買するためには、証券取引所の審査をパスする必要があります。
そして晴れて審査を通り、証券取引所で自社株を売買できるようになることを、「株式上場(じょうじょう)」といいます。
非上場企業の株式は売買できません。あえて上場しない企業もありますが、これは創業一族以外の者に株式を買い占められて、会社を乗っ取られることを防ぐためです
投資家が株式を購入する理由
一般的な投資家が株式を購入する理由は3つあります。それは株式に投資することで「配当益」「売買益」「株主優待」の3つのメリットを期待するからです。
配当益(インカムゲイン)
投資先の企業が好決算の場合は、保有している株式数に応じて「利益の分配=配当」を受け取ることができます。この配当益を「インカムゲイン」といいます。
赤字決算の会社が自社の資産を取り崩して配当を行うことを「タコ配当」といい、他の債権者の利益を損なう行為として、商法によって禁止されています。
売買益(キャピタルゲイン)
上場企業の株式は証券取引所で自由に売買できますから、売り手と買い手のバランスによって株価が変動します。
株価が安い時に株式を購入し、株価が上昇したタイミングで売却すると差益が生じます。
この売買差益を「キャピタルゲイン」といいますが、多くの投資家はキャピタルゲインを狙って株式を購入します。
株主優待
投資とはちょっと趣旨が異なりますが、企業が株主に自社の株式を長期保有してもらうために、商品券やお食事券などをプレゼントすることがあります。
これを「株主優待制度」といいますが、財テク棋士として知られた元プロ棋士の桐谷広人さんは、日常生活に必要なものを全て株主優待で賄っていたそうです。
株式売買の方法
証券会社
株式を売買する時は、証券会社を通して、買い注文や売り注文を行います。
以前は証券会社の窓口で、証券会社の担当者に相談しながら取引銘柄(株式)を選び、担当者を通じて注文するのが一般的でした。
しかし現在は「インターネット証券」が主流となり、ネット上に証券口座を開設すれば安い手数料でもって手軽に株式の売買を行うことができるようになりました。
現物取引と信用取引
「現物取引」とは自己資金の範囲内で株式売買を行うことです。一方、「信用取引」は、証券会社に保証金を支払うことで、保証金の3倍の額まで株式の売買ができるようになります。
自己資金を全額、保証金として預け入れた場合、もし株価が上がれば現物取引よりもはるかに大きな利益を手にすることができます。(これを「レバレッジ効果」といいます)
株価が下がった場合、レバレッジ効果がマイナスに働いて損失も大きくなりますので、投資ビギナーは信用取引には手を出さない方がよいでしょう。
先物取引
「先物取引」とは、メーカーが原料を仕入れる際に、将来の購入価格をあらかじめ決めてから取引することをいいます。
先物取引契約を結んでおくことで、季節によって原料価格が変動しても、メーカーは一定の価格で原料を仕入れることができますので、コスト管理がしやすくなります。
実際に購入する時に、予定価格よりも相場が上がっていれば、差額分が利益になりますので、投資目的で先物取引を行う人が増えました。
個別銘柄投資と投資信託
「個別銘柄投資」とは、投資家が自ら銘柄(株式)を選んで売買する方法で、一般的に株式投資といえば個別銘柄投資のことを指します。
「投資信託」とは、「投資信託会社」が複数の銘柄から「投資ファンド」を組んで投資家に販売し、一定期間ファンドを運用して得られた運用益を投資家へ還元します。
投信信託会社のファンドマネージャーは、最適な収益を上げられるように、定期的にファンドの中身(銘柄)を入れ替えて調整します。
自分で銘柄を選び、売買のタイミングを検討しなければならない「個別銘柄投資」に比べ、「投資信託」はファンドマネージャーに運用を”おまかせ”なので管理がラクです。
その代わり「投資信託」には運用手数料(ファンドマネージャーのフィー)がかかるので、収益性は「個別銘柄投資」よりも落ちます。
<ひとつのカゴに全部のタマゴを盛らない>
全てのタマゴをひとつのカゴに入れると、万が一転んだ時に、カゴの中のタマゴは全て割れてしまいます。これは株式投資も同じで、投資銘柄を複数に分散してリスクを軽減するのは投資の定石であり、このようなリスク管理の考え方を「ポートフォリオ」といいます。
投資テクニック
短期投資と中長期投資
「短期投資」とは、1日~1か月の間に何度も株式の売買を繰り返すことで、収益を上げようとする投資スタイルです。
「中長期投資」とは、企業の業績をチェックしながら、数か月~数年間にかけて株式を保有し、じっくりと腰をすえて収益を狙ってゆく投資スタイルです。
株価変動の激しい銘柄であっても、長期的には緩やかな上昇(下降)カーブを描くので株価のトレンドをつかみやすく、株価の変動リスクを軽減することができます。
テクニカル分析とファンダメンタル分析
「テクニカル分析」とは、株価チャートやローソク足(株価の動きをグラフ化したもの)のパターンから他の投資家の心理を分析し、短期的な株価の動きを予測する方法です。
「ファンダメンタル分析」とは、企業のIR(決算情報)から業績を分析し、中長期的な株価の動きを予測する方法です。前者は短期投資、後者は中長期投資で用いられることが多いです。
株式投資のまとめ
株式投資は「ゼロサムゲーム(誰かが儲かると他の誰かが損をする関係)」であり、投資家全員がウインウインの関係になることはありません。
そして我々個人投資家は、株式市場の情報収集力や分析力において、プロの投資家に比べて圧倒的に不利ですので、プロと同じ土俵で勝負する愚は避けたいところです。
では個人投資家はどうすればよいかというと、それはファンダメンタル分析に基づく長期投資に徹することです。プロの投資家は常にクライアントから短期的な成果を要求されていますので、我々のように気長に株式投資をするような余裕がないのです。
その他の投資方法
国債
「国債」は国の借金ですが、国がどうやって借金しているかというと、国債(債券)を全国の金融機関で販売することで資金を調達しています。
国債の購入は1万円から可能で、償還(国が返済する)期間は3年満期、5年満期、10年満期の3タイプがあり、利息は年に2回受け取ることができます。
現在(2019年4月)の利率は年利0.05%ですが、一般的な銀行の定期預金(年利0.01%)よりも高いので、あっという間に売り切れしまいます。
社債
「社債」の基本的な仕組みは国債と同じですが、一般的にはメインバンクが引受銀行となって社債を売り出します。ただし株式に比べると簡単には売却できないので、投資ビギナーにはおすすめできません。
外国為替取引(FX)
「外国為替取引」とは外国為替市場においてドルなどの外貨を売買します。
為替レートが1ドル100円の時に10万円分のドルを購入し、為替レートが1ドル120円の時にドルを売却して円に換えると12万円戻ってくるので2万円儲かるという仕組みです。
「FXやってる?」と言った方がわかるくらい、外為(がいため)投資はメジャーになりましたが、為替の予測は株価に比べて非常に難しいので、ビギナーにはおすすめしません。
不動産投資(REIT)
「不動産投資(REITリート)」は、投資信託の不動産版だと思って下さい。
現在は不動産だけではなく、病院のレセプトすらファンド化される時代になりましたが、ファンドについては金融知識だけではなく、ファンドの対象の業界知識も必須です。
個人投資家の王道とは
投資と投機は似て非なるもの
冒頭で投資とギャンブル(投機)は違うと述べましたが、「投資」は確実に収益の見込める事業に出資することであり、「投機」は勘と運に任せて根拠なくお金をつぎ込むことです。
よってどんなに儲かるという話であっても、説明を聞いて自分が理解できないものには投資しないことです。
ストックとフローのハイブリッド
教材ビジネスには「1年で資産100倍!」などと謳っているものがありますが、それで素人が儲かるのなら、日本の借金問題もとっくに解決しています。
資産運用の王道はまずしっかり稼ぐことです。
そして稼いたお金を適切な方法できちんと運用してあげることです。
「稼ぎ(フロー収入)」と「運用益(ストック収入)」のハイブリッドでもって資産を運用することこそ、個人投資家の王道ではないかと思います。
END
参考
人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
オンスクJPなら月額1,078円(税込)で何講座でもウケホーダイ!
新社会人が検定資格を狙うべき理由
世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。
そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。
「じゃあどうすればいいの?」という人のために、筆者は検定資格を勧めています。検定資格であれば年に2~3回受験できますし、1~2ヶ月くらいの学習期間で短期合格も充分アリなので達成感もあります。
ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。
人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!
フィナンシャル・プランニング技能士3級
税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。
ビジネス実務法務検定3級
世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。
日商簿記検定3級
企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。
ITパスポート試験
今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。
コスパ最強の検定試験学習ツール「オンスクJP」のご紹介
これら4つの検定資格をいかに効率的に取得するか?ということですが、検定試験の学習ツールとして筆者のイチオシがオンスクJPです。
オンスクJPであれば月額1,078円(税込)で、50種類以上の講座がいくらでもウケホーダイなので、なるべくコストをかけずに資格を取りたいという方にピッタリです。
さらに資格の学校TACのノウハウが凝縮された充実の講義をスマホやパソコンで視聴でき、1講義プラス復習テスト機能つきのコンテンツが1コマ10分間に収められているため、通勤や休憩などのスキ間時間を有効に活用しながらしっかりと理解を深めることができるスグレモノの学習ツールです。
筆者推奨の4つの検定資格もしっかりとカバーされていますので、オンスクJPを活用しない手はありませんね!

