新入社員の教科書

新入社員の教科書㉝ 資産運用の知恵(民間保険編)


万一の備えは大丈夫ですか?

保険証券

 

長い人生においては、想定外のトラブルに見舞われ、時として予期せぬ支出を強いられることもあります。

新入社員のみなさんは、これから社会で自立して生きてゆかねばなりませんが、万一の備えについて考えたことはありますか?

 

(「生命保険加入率(平成28年度)」公益財団法人 生命保険文化センターのホームページより転載)

これは平成28年の年齢別・男女別の生命保険加入率のグラフです。

全世代平均で8割の人が生命保険に加入している一方で、20歳代の加入率は男性で58.2%、女性では53.2%と、およそ半数強にとどまっています。

しかし傷病や事故のリスクは中高年だけに限ったものではありませんし、若くして厄災に見舞われると、経済基盤がぜい弱ゆえに、貧困に陥る可能性もあります。

そこで今回は、「資産運用の知恵」パートの締めくくりとして、生命保険や損害保険を中心に、節税のヒントも交えて解説します。

 

生命保険

積み立て保険の女性

死亡保険

「死亡保険」は自分が死亡した時、もしくは高度障害になった時に保険金を受け取れるもので、保障期間が一生涯続く「終身保険」と一定期間に限られる「定期保険」があります。

保険金の受取方法は一時金として一括で受け取る方法と、収入保証として毎月分割で受け取る方法があります。

 

医療保険

「医療保険」は病気やケガによる高額な入院費や手術費に備えて加入する保険で、死亡保険同様に保障期間によって「終身医療保険」と「定期医療保険」があります。

「ガン特約」や「3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)特約」が付いている医療保険は、これらの病気にかかった時に受け取る保険金が上乗せされます。

支払保険料の安い「掛け捨てタイプ」と、支払保険料は高めですが、満期に返戻金が受け取れる「貯蓄タイプ」があります。

 

その他の保険

介護保険

「介護保険」は将来の介護費用に備えて加入しておく保険で、「要介護状態」になった時に保険金を受け取ることができます。

 

学資保険

「学資保険」は子どもの高校進学(15歳)もしくは大学進学(18歳)時に満期金、もしくは「育英年金(自分が亡くなった場合)」を受け取ることができる保険です。

 

個人年金保険

「個人年金保険」は老後資金づくりのために加入する保険で、年金方式によって分割して保険金を受け取るしくみになっています。

 

損害保険

電動カーとぶつかりそうになる自動車

火災保険・地震保険

「火災保険」や「地震保険」は、火災や地震によって、マイホームや家財道具が被災した時のための保険ですが、原則として賃貸物件に居住している人は加入する必要はありません。

ただし賃貸物件であっても、出火や漏水によって、他の住人の家財に損害を与えた場合に備えて、管理会社から火災保険に加入するように求められることもあります。

 

傷害保険

「傷害保険」は事故により負傷もしくは死亡した時のための保険ですが、生命保険と保障内容が重複しているので、特別な事情の無い限り加入は不要と思います。

 

所得補償保険

「所得補償保険」とは、傷病により就労できなくなり、収入が無くなった場合に備えるための保険です。

傷病の原因が労災であれば労災保険、また私傷病であっても傷病手当金である程度カバーされるので、経費対効果を考えると単身者のうちは必要ないと思います。

 

自動車損害保険

「自動車損害保険」はマイカーを所有している人が加入すべき保険で、自賠責保険(強制保険)に対して「任意保険」と呼ばれているものです。

加入はあくまでも任意ですが、自賠責保険は対人賠償のみ、かつ補償額が最高で4,000万円しかないことに注意が必要です。

最近は高級な国産車が増えて対物賠償額が高額化しているうえに、死亡事故の裁判では億円単位の賠償判決も出ているので、自賠責保険だけでは非常に危険です。

会社がマイカー通勤を許可する条件に「任意保険の加入」がありますが、補償条件が「対人無制限、対物無制限」であることが一般的です。

 

その他の保険

”自転車”通勤の増加によって自転車と歩行者の衝突事故が増加したため、多くの保険会社で「自転車損害賠償保険」を扱うようになりました。

たかが自転車と思われるかもしれませんが、最近では自転車の衝突による死亡事故に対し、遺族から数千万円の損害賠償請求訴訟を起こされた事例も出ています。

 

知っておきたい節税の知恵

納税する女性

生命保険料と年末調整

生命保険には満期に返戻金を受け取れる「貯蓄型」がありますが、「貯蓄型保険」と「定期預金」ではどちらがオトクなのでしょうか?

利率と利回り

これらの比較にあたっては「運用利率」と「運用利回り」の違いを知っておかねばなりません。

「運用利率」とは、元金にプラスされる1年あたりの利息の割合(年利)のことで、元金100万円に対する運用利率が1%であれば、1年後に1万円の利息がつくということです。

一方、「運用利回り」とは、元金100万円を年利1%で10年間運用した場合の、1年あたり平均利益率のことです。

利回りの試算表

一年目は運用利率も運用利回りも同じですが、毎年の利息を元金に組み入れて運用することで、10年後には104,600円の利息になります。

これを10年間で割って1年あたりの平均運用益を算出し、さらに元金で割ると運用利回りは1.046%です。

金融機関や保険会社によって、金融商品の「目論見書(収益見込み)」が、利率表示だったり利回り表示だったりするので、自分で計算できるようにしておきましょう。

 

年末調整のメリット

もし「貯蓄型保険」と「定期預金」の運用利回りが同じだったらどうでしょうか?

もちろん保険の場合は保障があるので、その時点で定期預金とは比較になりませんが、ここでは「保険を使わずに満期返戻金を受けとりたい」という前提で解説します。

結論から言えば、年末調整で「保険料控除」を受けられる分、生命保険にメリットがあります。

 

年末調整は1月~12月の給与の総支給額から税金と社会保険料などを差し引き、さらに必要経費相当額を控除した残額に対して課税します。

ただしその前の段階で、1年間に支払った生命保険料や損害保険料も課税額から控除することができるので、源泉税や住民税が安くなるのです。

ちなみに「保険料控除」の額は、生命保険で12万円、損害保険で5万円の計17万円(上限)ですが、一般的な年税率10%であれば、1万7千円の還付になります。

 

医療費控除

1年間に支払った医療費が10万円を超える分は、年末調整が終わった後に改めて確定申告することで、若干ですが源泉税が還付されます。

通常は12月末に年末調整を終えるので、年明けの2月中旬から3月中旬にかけて、住所地を管轄する税務署へ行って、医療費控除の確定申告を行うことになります。

もし年間の医療費(自己負担分)が10万円を超えそうであれば、きちんと領収証を保管しきましょう。なお確定申告の際は領収証の提出は不要です。

 

副業時の税金

自営業者として副業を行う場合

「本業の職場」で年末調整を行って源泉徴収票を発行してもらい、確定申告書に「副業の収入」と経費を記入し、「本業の源泉徴収票」を添付して住所地の税務署に提出します。

 

副業がアルバイトなどの雇用契約の場合

「副業先」から源泉徴収票を発行してもらい、「本業の職場」に「副業の源泉徴収票」を提出し、「本業と副業を合算」して年末調整を行ってもらいましょう。

 

甲種と乙種

日本では2か所以上の勤務先から給料をもらう場合、「副業」の給与所得に対して高額な源泉税が課税されます。

源泉税には「給与の種別」があって、本業は「甲種」、副業は「乙種」ですが、甲種の税率が10%程度なのに対し、乙種は概ね給与の50%が税金でもってゆかれます。

よって副業は雇用契約ではなく、自営業者として請負契約を結んだ方が税制面では有利です。

ただし被雇用者でなくなるために、雇用保険や労災保険は適用されませんし、業務上の損害については自営業者として賠償責任を負う可能性があります。

副業の職種によっては、自身の傷病保険や業務賠償責任保険などの検討が必要です。

 

ファイナンシャルプランの必要性

保険の相談をする若い夫婦

昔は公的年金と貯蓄だけで老後資金を準備できましたが、今や自発的にリスクをとって資産を運用してゆかないと、人生の途中で生活資金がショートしてしまうこともあります。

このシリーズでは貯蓄、投資、保険などの金融商品および公的保険や節税などを中心に、資産運用全般について広く浅く解説してきました。

そこでこれらの知識をベースに、新卒入社から老後リタイヤまでの「ファイナンシャルプラン(資産運用計画)」を作成してみることをおすすめします。

それにはファイナンシャルプランナーの資格を取得することがもっとも効果的ですが、テキストを取り寄せて読んでみるだけでも重要ポイントをサッと押さえることができます。

END

 

 

参考

人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由

世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。

そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。

「じゃあどうすればいいの?」という人のために、筆者は検定資格を勧めています。検定資格であれば年に2~3回受験できますし、1~2ヶ月くらいの学習期間で短期合格も充分アリなので達成感もあります。

ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。

人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!

フィナンシャル・プランニング技能士3級

税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。

ビジネス実務法務検定3級

世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。

日商簿記検定3級

企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。

ITパスポート試験

今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。

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