さあいよいよスタートです!
ギャップ分析
とても名残り惜しいのですが、このシリーズは今回で最終回です。
今回は前回に引き続き、キャリアプランニングの具体化と、ゴールへ向けた進捗管理の方法について解説します。
これは「ギャップ分析」という手法で、ペルソナモデルと現在の自分のギャップを認識し、ゴールに至るために具体的に何が不足しているのか明らかにします。
ポイントは「人間性(器量)」「実務能力(才能)」「自己投資(資金)」「情報(人脈)」の4つの切り口から、ゴールへむけた課題を分析し、具体的に設定することです。
アクションプラン作成
課題が明確になったら5W2Hにもとづいて、具体的なアクションプラン(実施計画)を立案します。
ここまできたら、あとは「やるか、やらないか」の問題ですね。
<5W2H>
What(何を)、Why(なんのためい)、by When(いつまでに)、Where(どこで)、Whom(誰に)、How(どうやって)、How much(いくらの予算で)
自分株式会社のススメ
自分株式会社とは?
実は会社の経営とみなさんのキャリア形成の仕組みは非常に共通点が多いのです。
会社の経営とは、自社のマーケットを選定し、そこに経営リソース(ヒト、モノ、カネ、情報)を投入し、適切に管理して最大の成果を上げることです。
そしてこれはそのままみなさんのキャリア形成にもあてはまるのです。つまりみなさんは、自分という会社の経営者であると言えるでしょう。
自分株式会社事業計画
3C分析
今回は一般的な会社の事業計画書を簡単なキャリアプランシートにアレンジしてご提供します。
まず3Cフレームワークでもって、自分の強みや興味の対象と、会社のニーズ、そして周囲からのサポートなどを整理してみましょう。
3つの要素がうまくかみ合って、バリュープロポジションを形成できれば、そのまま作業を進めて下さい。
もしそうでなければ、前回の内容に従って、転職を検討するか、自分の興味を極力会社のニーズに合わせ、まず3年を目途に実務キャリアを積むようにして下さい。
PEST分析
次に自分の方向性と外部環境との関係を分析しましょう。どの時点の将来を予測するかということについては、自分が30歳になる頃が良いと思います。
仮に30歳になった時に就労環境が大きく変化し、軌道修正を余儀なくされても、その時点で「一人前」になっていれば、ちゃんと環境の変化に対応できるものです。
ペルソナモデル設定
ペルソナモデルの設定は、少し「欲張り」なくらいでちょうど良いです。
これは「ストレッチゴール」という業績管理のテクニックで、少しチャレンジングな目標を設定しておくくらいでないと、適切なゴールに着地できないからです。
ギャップ分析
ペルソナモデルと現状の自分を比較して、何が足りなにのか具体的に洗い出し、ゴールに至るために必要な課題を明確にします。
ここでは「何が」「どれくらい」足りないのかという視点で、より具体的に洗い出しましょう。
アクションプラン作成
課題が明確になったら、それを実行計画に落とし込みます。
ここまでくると、30歳になった時の自分の姿をイメージするだけでワクワクしてきませんか(笑)。過ぎた時間は二度と取り戻せませんから、思い切り人生を楽しんで下さいね。
予算実績管理
ひとり予算実績会議
計画を組んだらいよいよ実行しましょう。
ただしダラダラやっていても絶対に成果があがりませんから、定期的に「計画」と「実績」の差異をチェックして、その都度リカバリーや軌道修正を行いましょう。
会社経営でも必ず年度計画に対して「月次」→「四半期」→「半期」→「年次」でもって、予算と実績の乖離を検証し、対策を講じるための予算実績会議を行っています。
それを自分株式会社でも実践するということです。
計画の精度にこだわるより、ブレた時にどのような対策を講じるのか考えておいた方がよいです。
ガントチャート
「ガントチャート」は複数の課題(ガント)を同時に進めるためのいわば「工程管理表」です。
個別のアクションプランを、ガントチャートでもって時間軸に置き換えて、作業スケジュールを管理してゆきます。
PDCAサイクル
あとは毎月PDCAで進捗管理しましょう。会社の経営はPDCAの繰り返しです。
これはキャリア形成も同じことで、人もPDCAを繰り返して自分の成長過程をきちんと検証し、軌道修正してゆくことで魅力的な人材になってゆくものです。
新入社員の教科書 修了式
読了の御礼
これまで35回に渡って「新入社員の教科書」シリーズをアップしてきました。
まずはこのシリーズに最後までお付き合い下さった読者の皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
このシリーズは世間一般の新入社員モノではあまり扱わない実学中心の構成になっていますが、これは会社経営のエッセンスを新入社員研修スタイルにアレンジしたものです。
経営の仕組みが解れば、会社における自分の役割と責任もよく解りますし、起業や転職も含めてキャリアの方向性も定めやすくなります。
このシリーズで全てを伝えきれた訳ではありませんが、社会を生きる上で役立ちそうな事は、おおむね網羅したつもりです。ここでお伝えしてきた事が、みなさんの自立的なキャリア形成の一助になれば、望外の喜びです。
おわりに
実は社会人になっても、自分のやりたいことがよくわからない…という人は意外と多いものです。
しかし人生はあっという間です…。
ですから「自分探し」は20代前半で終え、納得できてなくてもいいから、いったんキャリア形成の方向性を定めましょう。
もし家庭の事情で「学生時代にすべきこと」をしてこなかった人は、自分に欠けているものを早く見つけて、20代で必死に取り返してください。
30代からは専門知識やスキルを高め、必要な資格を取得し、社内外に人脈を作って、ひとつのキャリアを完成させてください。
そして40代で(小さな領域でもいいから)専門家として花を咲かせ、仕事も私生活も大いに楽しみましょう。
世の中は「70歳まで働く時代」などと言われていますが、40歳以降のキャリアチェンジは、「失うもの」の方が多いということは肝に銘じておいてください。
50代は後進の育成や業界の振興に尽力して、お世話になった人達に恩返し、「他人の幸せ」を自分の幸せと思えるようになりましょう。
60代になったらさっさとリタイアして後進に道を譲り、自分の培った知識やスキルを地域社会に還元しましょう。
これこそビジネスキャリアの「王道」です。
人生をたくましく生きぬいて、たくさん成功し、そして思い切り幸せになってください。
みなさんの成功は、誰のおかげでもない、ただひとえにみなさんの一生懸命な努力のたまものなのです。
いつかみなさんが自分の道のりを振り返る時が来たら、「よく頑張った!」と自分で自分をたくさんほめてあげてください。
みなさんの前途に限りない幸あらんことを祈念しつつ筆を置きます。
新入社員の教科書(完)
参考
人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由
世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。
そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。
「じゃあどうすればいいの?」という人のために、筆者は検定資格を勧めています。検定資格であれば年に2~3回受験できますし、1~2ヶ月くらいの学習期間で短期合格も充分アリなので達成感もあります。
ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。
人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!
フィナンシャル・プランニング技能士3級
税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。
ビジネス実務法務検定3級
世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。
日商簿記検定3級
企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。
ITパスポート試験
今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。
コスパ最強の検定試験学習ツール「オンスクJP」のご紹介
これら4つの検定資格をいかに効率的に取得するか?ということですが、検定試験の学習ツールとして筆者のイチオシがオンスクJPです。
オンスクJPであれば月額1,078円(税込)で、50種類以上の講座がいくらでもウケホーダイなので、なるべくコストをかけずに資格を取りたいという方にピッタリです。
さらに資格の学校TACのノウハウが凝縮された充実の講義をスマホやパソコンで視聴でき、1講義プラス復習テスト機能つきのコンテンツが1コマ10分間に収められているため、通勤や休憩などのスキ間時間を有効に活用しながらしっかりと理解を深めることができるスグレモノの学習ツールです。
筆者推奨の4つの検定資格もしっかりとカバーされていますので、オンスクJPを活用しない手はありませんね!

