人事部長のひとりごと・・・

部下との正しい付き合いかた


部下のマネジメントが難しい時代

「部下が育たない」「部下が言うことを聞かない」「どうやったら部下をうまく育てることができるのだろうか・・・」等々、部下との付き合い方に悩む上司は多い。

昭和の時代はほとんどの職場において年功序列型の人事が行われていたため、たいていは上司の方が部下よりも「年上」であり、また社歴も長い「大先輩」であるために、「いいから黙ってやれ!」といったトップダウン的な接し方が一般的だった。

しかし最近では転職が当たり前となり、即戦力人材が管理職として中途入社してくるケースは珍しくなくなったので、あちこちの職場において、「年齢」や「社歴」と「役職」が逆転してしまうような現象が起こっている。

さらに就労の価値観が多様化し、副業や兼業などが増えてくると、ひとつの職場での序列だけで関係性を片付けられないケースも想定されるため、部下のマネジメントはより難易度が増してゆくだろう。

誰もが部下との付き合い方に悩んでいる

部下との付き合い方に悩んでいる上司は、「部下との人間関係が上手くいっていない」というケースが多いのではないだろうか?

しかし、だからといって「自分は上司として力不足なのではないか?」と悩む必要など全く無い。

なぜならば会社の4大経営リソースといわれている「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のうち、もっとも手間と時間がかかり、なおかつなかなか思い通りにゆかないものが「ヒト」だからだ。

そう、部下をうまく活用できずにで悩んでいるのはあなた一人だけではないので、どうかご安心を・・。

そもそも上司と部下は反目しあうもの

付け加えると、資本主義体制下での「営利法人(=商売を目的とした会社)」においては、「上司」と「部下」は利害が相反する関係にあるため、対立して当たり前である。

これは社内における「上司」と「部下」の立ち位置が根本的に異なるからであるが、ひとりの人間が管理できる人数は7~8名くらいが限界と言われているため、経営者は管理職を採用して各部署に配置し、自身に代わって現場の従業員を管理監督させる仕組みになっている。

ゆえに「上司」と「部下」は、仮に同じ事務所で机を並べて仲良く働いていたとしても、会社のシステム上は「経営者の分身」と「労働者」という両極に立つこととなるので、「上司vs部下」という対立構造が生まれてしまうのは、ある意味では仕方が無いことだ。

上司のスタイルを演じ分ける

よって「上司たるものは、いちいち部下の顔色をうかがうことなく、毅然とした態度で業務命令を下し、目標達成に向けて果敢にチームを牽引してゆかねばならない・・・」のであるが、一方で部下だって人間なので、それぞれに「感情」があるということは忘れてはならないだろう。

いくらまっとうな給料を支払っているからといって、「職場の安心感」「仕事の達成感」「やりがい」「成長の実感」などといった部下達の「感情」をよく汲まないで、まるで「消耗品」のように酷使すれば、いずれその職場からは誰もいなくなってしまうからだ。

そこで上司には、部下それぞれの成熟度にあわせて、いくつかの上司のスタイルを演じ分けるという工夫が必要となる。

たとえば入社したばかりの新人に対して、「キミに全部任せたので自分で判断して」と言えば、その新人の部下は丸投げされたと思って不安になるだろう。

またベテランの係長に対して、いまさらわかりきったことを逐一説明してしまうと、その係長は「自分は上司から信用されていないのではないか?」と疑心暗鬼に陥る。

よって新人に対しては「報連相」をこまめに行わせて適宜必要なフォローを行うべきだし、逆にベテランに対しては大まかな方針だけを伝え、細かな手順については権限移譲を行って「本人の裁量に任せる」といった配慮が必要なのだ。

問題社員には毅然とした態度で接する

なお、どんな状況においても一番やってはいけないのが、「問題社員」への対応を誤ることだ。

例えば「自分だけ特別扱いを要求する」「公然とハラスメントを行う」「なにかと上司に反発する」「同僚を煽ってチームワークを乱す」等々、このような子供っぽい人間はどこの職場でも必ずひとりはいるものだ。

こういった場合、日本の多くの管理職は保身のあまり見て見ぬ振りをするか、むしろ問題社員に迎合して事を荒立てないようにして場を収めようとするが、これでは「管理職失格」だ。

こんな輩を放置すると、真面目に働いている部下にその「しわ寄せ」がゆき、そのうちその部下はアホらしくなって辞めてしまうだろう。

そして有能な人材が職場からどんどん去ってゆくことで、それはやがて会社全体の製品やサービスの質を低下させ、最終的には大切な顧客を失うことになる。

よって問題社員に対しては、社内規程に基づいて「懲戒処分」などの断固とした対応をとらなければならない。

上司は部下の友達ではない

ところが古いタイプの人間に限って「そんな些細なことにいちいち目くじらを立てなくても」とか「部下は理屈だけじゃ動かないって言うでしょ・・・」などと無責任なことを言ってくる。

しかし部下の教育に関しては「一事が万事」であり、そして「理屈をこねること」と「ルールを守ること」は全く別物である。

これ以上ぐだぐだと述べると私の愚痴になってしまうので(笑)、最後にドラッカーの名言をご紹介して今回のお話はおしまいにしたい。

上司とは客観的で公正でなければならない。

上司たる者は部下を超越した存在でなければならず、なおかつ相手に対する好き嫌いや仕事のやり方の違いなどで、部下を判断してはならない。

部下を判断する唯一の基準は、部下の成果と人柄である。

だが部下は友達ではない。

部下と仲良くなり、仕事以外の話をするようになってしまったら、上司として公正であることは難しい。

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