話題のトピック

これからのサラリーマンのキャリア戦略~ヨコ方向にキャリアを広げる(前半)


多くのサラリーマンにとってタテ方向のキャリアアップが難しくなった

かつてはサラリーマンは出世してナンボと言われていたが、ある統計によると、課長になることができるのは全サラリーマンのうち3割、そしてそこから部長に昇進できるのは1割にも満たないとのことである。

だから誰もが厳しい出世競争を勝ち残るために、少しでも良い大学を出て、就職したら滅私奉公の覚悟でもって長時間労働や休日出勤も厭わずにこなし、また理不尽な命令にも黙々と従って、我慢に我慢を重ねて出世のチャンスを待ち続けるというのが、日本の典型的なサラリーマンであった。

しかし筆者は、これからのサラリーマンは、ひとつの組織の中でタテのキャリアアップに固執することは、人生を棒に振るくらいのリスキーな考え方であると思う。むしろこれからは、キャリアはヨコ方向へ拡張していった方が賢明ではないと考えている。

その理由は大きく2つある。

ひとつはこれから役職に対する考え方が大きく変わってゆくだろうこと、もうひとつは会社組織のあり方もまた、ドラスチックに変容してゆき、タテ方向へキャリアを伸ばしてゆくことが、ごく一部のエリートを除いて難しくなるだろうと予測しているためだ。

役職に対する考え方はどう変わってゆくか?

会社の成長フェーズによって複数のリーダーがスイッチする

アメリカの心理学者であるハーシーとブランチャードが提唱した「SL理論(Situational Leadership Theory)」によると、組織の発展段階に応じて、効果的なリーダーシップのスタイルは異なるという。

例えば素人の集まりのような未成熟の組織であれば、個々のメンバーを厳しく指導育成し、チームを統制できるような教官型のリーダーがふさわしいが、もしこれが専門家の集団であれば、リーダーはチームの方向性だけを示し、具体的な仕事の進め方は、個々のメンバーの裁量に委ねるような委任型のリーダーがうまくゆくのだ。

ゆえにSL理論では、「リーダーたるものは、組織の成長フェーズに併せて、適切なリーダーシップのスタイルを使い分けよ」と説いているのだが、現在の不確実かつ複雑で、さらに環境の変化の早い時代においては、一人のリーダーが組織のあらゆる成長フェーズに対応したリーダーシップを発揮することは至難の業である。

一方で最近ではジョブ型雇用および起業による兼業・副業などが広く世間に認知されはじめ、またそれらのマッチングサービスも増え始めており、プロジェクト・マネジャーのように、有期契約でもって適切な能力をもった管理職をその都度雇う時代になるかもしれない。

役職等級制度の運用が見直される

タイトルは忘れてしまったが、以前「太平洋戦争で日本軍がアメリカ軍に敗北した要因のひとつは、日本軍の硬直的な人事システムにあった・・・」というような内容の本を読んだことがある。

軍隊には将官、佐官、尉官などの階級があるが、アメリカ軍は階級に関わらず、作戦毎に最適な人材を司令官に任命(作戦が終われば解任)するといった、柔軟で合理的な人事を行っていた。

ところが日本軍においては、司令官のポジションというものは、いわば年功によって与えられる恩賞的な意味合いが強く、これがしばしば作戦遂行においてミスマッチを起こしていたようなのだ。

一方で現代の多くの日本企業が導入している「役職等級制度」も、長年の忠勤に報いるための論功行賞的な性質の強いものとなってしまっており、実態としては旧日本軍時代からあまり進歩していないように思える。

しかし本来の役職等級制度の正しい運用は、「等級」が従業員の熟練度に応じて一律に昇格するものであるのに対して、「役職」というのはミッション遂行に必要な権限を付与し、責任を負わせるために、企業戦略に基づき、機動的に昇任や降職が行われるべきものである。

昨今、勤続年数が長いだけで、なんら会社の業績に貢献しない、いわゆる「働かないオジサン」がリストラのターゲットとなっているが、すでに多くの企業において、組織運営や業務体制の合理化が加速しているため、今後は事業の成長フェーズに合わせた柔軟な役職等級制度の運用が行われてゆくものと予想している。

経営人材と労働者は二極分化してゆく

日本企業の経営者の中には、平社員で新卒入社し、現場からの叩き上げでもって経営者まで上り詰めた、という方は少なくないが、実はこれは世界的には非常に稀な人事システムである。

なぜならそもそも経営者と労働者は利益相反する関係にあり、また経営に必要な能力というものは、現場での実務経験の豊富さに比例して養われるものではないからだ。

よって海外の企業では経営人材と労働者は完全にキャリアが分離しており、例えば外資系ホテルでは、料飲部や宴会部に採用された一般職員は、何年頑張ろうとも原則として部門の支配人でアガリとなる。

そして総支配人のポジションには、ホテリエというホテル経営の専門高等教育を受けた人材が、まるで出世トーナメントにおけるシード選手のごとく、横滑りして入ってくるシステムとなっている。

こういった経営人材と労働者の二極分化は、ジョブ型雇用の拡大でどんどん進んでゆくだろうし、最近ではプロフェッショナル経営者という人材カテゴリーが、人材マーケットで脚光を浴びていることからも、このトレンドは間違いないだろう。

(次号へ続く)

参考

人事労務のご経験をもっと活用しませんか!
人事担当者の副業・フリーランス紹介サービス「人事PROパートナーズ」のご紹介

「人事プロパートナーズ」は、人事経験者に特化した副業やフリーランス案件の紹介サービスです。採用戦略の立案や人事制度の設計など、人事分野のスポット案件を人事経験者のキャリアアドバイザーが、的確にマッチングしてくれます。

人事としてのキャリアアップ【人事プロパートナーズ】
人事分野の専門的なスポット案件を業務委託方式にて受注して報酬を得るスタイルです。よってフルタイム的な働き方は不要で、リモート勤務はもちろん週2~3日もしくは平日の夜間のみなどといった、人事経験を活かした副業でもって高収入を得ることができます。

◆サービスご利用の流れ

step
1
サービス登録


プロフィール、人事分野での実務経験、ご自身の強みなどを具体的にご登録ください。

step
2
エージェント面談


担当エージェントと面談して頂き、今後の案件探しの打ち合わせを行います。

step
3
案件紹介・企業面談


打ち合わせした条件をもとに案件をご紹介し、クライアントと面談して頂きます。

step
4
契約成立・業務スタート


双方の意向が合致すれば人事プロパートナーズを介して業務請負契約を締結します。

人事としてのキャリアアップ【人事プロパートナーズ】

この記事が気に入ったら
シェアしてくださいね~

Twitter で

-話題のトピック
-,

© 2022 人事部プロフェッショナルマニュアル