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これからのサラリーマンのキャリア戦略~ヨコ方向にキャリアを広げる(後半)


前回のあらすじ

かつて日本では「サラリーマンは出世してナンボ」と言われ、タテ方向へのキャリアアップがキャリア形成の王道とされてきた。

一方で昨今の急激な就労環境の変化により、日本の多くの企業においては、従来のタテ方向へのキャリアアップが、決して合理的なキャリア戦略ではなくなってくることが予想される。

その大きな要因は2つあり、ひとつは企業の成長フェーズに併せてリーダー人材をスイッチしたり、またそのために役職等級制度の運用が見直されたり、経営層と労働者の二極分化が進んで、役職そのものの定義が根本から変ってしまう可能性が高いことである。

そしてもうひとつは時代の流れに合わせて、会社組織のあり方も大きく変容してゆくだろうと推測されることだ。

今回はこれから会社組織はどのように変ってゆくのか、そしてそんな環境の変化の中で、我々サラリーマンはどのようなキャリア戦略を採るべきなのか、について解説したい。

会社組織のあり方はどう変ってゆくか?

短命化する企業の平均寿命・長期化するサラリーマン人生

帝国データバンクだったか、東京商工リサーチだったか忘れたが、ここ最近の倒産企業の平均的な社歴は20年だそうだ。

筆者が新卒入社したころは、たしか企業の平均寿命は60年などと言われていたので、この30年くらいの間に、企業の平均寿命は一気に短命化したことになる。

つまり「いったん新卒で入社したら、最後までひとつの会社で勤め上げたい・・・」などというキャリアは、本人の意志よりも、たぶんに運次第というような時代になってしまった。

一方で高齢者の増加と若年労働力人口の縮小が深刻化しており、働き手を確保するために、近いうちに定年が70歳に引き上げられることになるだろう。そうなると高卒で就職した場合は、MAXで52年間も働かなければならなくなる。

企業の平均寿命が20年になり、なおかつサラリーマン人生が50年を超えるようになるということは、本人が望むと望まないに関わらず、場合によっては3回の転職を経験せざるを得なくなるということである。

職場のDX化により組織階層がフラット化する

新型コロナ禍によってリモートワークが普及し、多くの職場においてAI、RPA、ITCがどんどん普及して、ペーパーレスやキャッシュレスといった職場のDX化が進んでいる。

よって従来の紙の資料や現金を扱うといった仕事が消滅するだけではなく、Teamsなどのビジネスプラットフォームの活用が進むことで、これまで多くの中間管理職が担ってきた、「調整」や「とりまとめ」などといった、定型的な中間業務がITに代替されるので、会社組織は経営層とワーカーに二極化してゆく。

さらにリモートワークを推進することで、役職に関係なく多様なメンバーが自由闊達に連携してタスクを進めてゆけるようになるため、かえって長年の年功に報いるためだけの恩賞的ポストは、社内の生産性改善の阻害要因としてみなされるかもしれない。

職種の垣根が崩壊する

組織のフラット化によって、中間層の役職が無くなってゆくと同時に、職場のDX化が進むことによって、企画、営業、事務などの職種の垣根も曖昧になってゆく。

例えば次回の会議の開催にあたり、Outlookスケジューラのアシスタント機能を使えば、一瞬でメンバーの日程調整を行い、それぞれのメンバーにTeams会議の招待メールを一斉配信することができる。

またOneNoteを使えば、会議の参加者全員がリアルタイムでもって議事のポイントを書き込むことができる。そして会議の終了と同時に議事録が完成し、なおかつメンバー間に共有されているという状態になっている。

かつてはこれらの作業は事務アシスタントなどの仕事であったが、今では役職に関係なく、まるで携帯電話をかけるような感覚でもって、手元のパソコンで処理できるので、わざわざそのための人員を配置する必要はない。

営業職においても、最近はデジタルマーケティングが必須であるから、むしろ企画や販売サイトの更新、見込み客のフォローや代金の回収管理なども、PowerAutomateなどのRPAを活用することで、有能な営業スタッフであれば、概ねひとりで完結できるだろう。

つまり職種の垣根が無くなってゆくことで、多くのプレイヤーはスキルの幅を広げ、単独でもってある程度の付加価値を生むことが要求されるようになるのではないかと思われる。

よじ上るよりも、ヨコに立ち位置をずらしてみる

総括すると、これからの10年で役職に対する考え方と、会社組織の編成のあり方が大きく代わり、ひとつの会社におけるタテ方向へのキャリアアップは非常に不確実性の高く、また具体的なリターンを期待できないキャリア戦略として認識されるようになってゆく。

よって、筆者のようないわゆるフツーのサラリーマンは、むしろ現時点において自身のキャリアのコアとなっているスキルセットをベースに、ヨコ方向にキャリアを拡張してゆく戦略を採用してゆく必要がある。

例えば筆者は本業では中堅企業の人事部長として働いているが、これ以上の出世を望むよりも、例えば大手コンサルを利用できないような小規模事業者の人事コンサルティングや、個々のクライアントに合わせたTeams活用のコンサルティングなどの副業でもって、ヨコ方向に新たなキャリアを築いてゆきたいと考えている。

また筆者の娘は、化粧品メーカーに就職して、美容部員の仕事に就くことを志望しているようだが、例えば週末は介護施設を訪問してリハビリメイクの講師をしたり、コスメライターとしてブログアフィリエイトを運営したりなど、アイデアとやり方次第では、いくらでもキャリアの幅を広げるチャンスはある。

確かに現代は、長年の雇用慣行やキャリアプランが崩壊してしまった先行き不透明な時代ではあるが、だからこそ妄信的に過去の価値観に拘泥して空回りするのではなく、スッとヨコ方向に足を一歩踏み出してみて、新たな景色を眺めながら、自身のキャリア戦略について、見直しを行うべき時期ではないかと思うのだ。

(終わり)

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