デキる人の流儀 人事部の視点

仕事ができる人のコミュニケーションスキルとは?


コミュニケーション能力の高い人は仕事ができる

組織はなんのためにあるか?

経営学者のP.F.ドラッガー博士は、「組織は個人の限界を超越するために存在する」と言いました。たとえば個人診療所でできる医療行為には限界がありますが、総合病院であればドクター、ナース、コメディカルなどの臨床スペシャリスト達が医療チームを組むことで、難易度の高い高度専門医療を行うことが可能になるのと同じです。

そして組織活動を円滑に推進するために不可欠なのがコミュニケーションスキルなのです。

 

コミュニケーションは訓練次第で上達する

対人コミュニケーションがあまり得意ではないという人は世の中に結構存在します。特に日本人には「自分は内向的だから」とか「人前で話すのが苦手だから」という人が多いようです。

しかし先天的にコミュケーションスキルに長けた人などいません。

筆者も学生時代はあまり人前で話すのは得意ではありませんでしたが、新入社員研修の時に、自撮りビデオの前で何度もプレゼンをさせられ、その都度自分の話し方のクセなどを再確認しながらトレーニングを繰り返すことで、セミナー講師を依頼されるレベルに到達できました。

 

コミュニケーションの下手な人に共通する口癖

「私はちゃんと言いました!」

相手に連絡が伝わっておらず、エラーが発生してしまった時に、きまって「私はちゃんと言いました!」と開き直る人がいます。

そこでその人に、相手に対してどのように連絡したのか確認してみると、たいていは雑談の中で申し添える程度に話したとか、長文メールの末文に追記しておいた、などといったケースが多いです。

こういう人に欠けているのは、いくら自分が発信したところで、相手がそれを認識し、こちらが意図した行動をとってくれない限りは、伝えたことにはならないということを理解していないということです。

 

「そんなつもりで言ったんじゃない」

これは昭和の管理職に多いタイプですが、経験上こういった口癖の多い上司に限ってそもそも指示がアバウトであることが多いようです。

日本では従来から「察する」とか「気を利かせる」といった受け手責任の特殊なコミュニケーション文化がありますが、国際的にはこれは極めてイレギュラーだということは知っておいた方がよいでしょう。

相手に何かをして欲しいのであれば、それが自分より目下であっても相手がきちんと理解し、その後のアクションにつながるように具体的かつ簡潔明瞭に工夫して伝えなければなりません。

 

目的の不明確なコミュニケーションは相手を振り回す

少なくともビジネスにおけるコミュニケーションには全て目的があります。

例えば報連相(報告・連絡・相談)などはその典型ですが、時々発信者である当の本人がその目的を理解していないケースもあります。

こういう人が職場のあちこちを彷徨って、周囲の人間を振り回し始めると、組織の生産性が上がらないどころか時に重大なエラーを招くことすらあります。

実は田舎のオーナー会社の経営者にこういったタイプが散見されますが、当の本人に自覚が無いだけにタチが悪いですね。

 

報連相の上手な人は何が違うか

結論から先に伝える

職場における対人コミュニケーションの基本は報連相です。報連相すら満足にできずして、TED-Xのような高度なプレゼンなど絶対に不可能だと断言します。

そして報連相の達人に共通しているのはまず結論から先に伝え、その後で相手の必要に応じて補足説明を追加するというスタイルです。

有能なビジネスパースンほど大量のタスクを抱えて常に忙しいものです。そんな人達にとっては枝葉末節の話をダラダラと続けられ、なかなか本筋が見えてこないような打ち合わせほど辛いものはありません。

 

フレームワークで論点を簡潔に整理する

職場での報連相は井戸端会議とは根本的に目的が異なります。生産性の高い仕事とは、短時間で大きな成果を生み出すことですから、報連相は必要な情報のみ厳選して、簡潔明瞭にまとめられていなければなりません。

そこで報連相の上手な人は伝えたい情報を5W2H(When Where Who What Why How How much)やPREP(Point Reason Example Point)などのパターンに当てはめて、報連相の内容を組み上げるのです。

このように5W2HやPREPなどの思考や情報を整理するために型をフレームワークといいいますが、仕事のデキる人ほどフレームワークの引き出しが多く、目的に応じて臨機応変に使い分けているのではないかと思います。

 

事実と意見を明確に区別する

上司が最も困るのは、事実と個人的な意見がごちゃまぜになった報連相です。

上司は部下からの情報をもとに成すべきことを適宜判断してゆかねばなりませんが、事実と思い込みを取り違えると思わぬ判断ミスを招き、会社や顧客に大きな損失をもたらしてしまうこともあります。

部下の側にしてみるとミスをした時など、悪い報告ほどオブラートに包んで上司からの叱責を回避したいと思うものですが、有能な上司であれば部下を叱ることよりもまず事実関係を把握し、早期に対策を講じてエラーの延焼を食い止めることを優先するでしょう。

そんな時に保身のために、のらりくらりと自己弁護などしようものなら、その人は職場で二度と信用されなくなると思います。

 

相手の都合に配慮する

相手の都合を考えず、いきなりやってきて長々と話し込んでゆく人、突然電話をかけてきて、一方的に自分の言いたいことをブチまけてゆく人、私はこういう輩を時間泥棒と思っていますが、こういう人達に共通しているのは、相手は自分が思っているほど暇人ではない、ということが理解できていないということです。

報連相をするにしても、まずはメールで相手に用件を伝え、都合を伺った上で改めて詳細について報連相を行うべきでしょう。

報連相を受ける側も打ち合わせ前に充分な下調べなどができるので、打ち合わせの生産性が上がるというものです。

 

コミュニケーションを成果に結びつけるには

コミュニケーションの達人になれば生産性の高い仕事ができるようになります。では報連相の基本さえおさえておけば、明日からコミュニケーションスキルが劇的に向上するかといえばそうではありません。

それは組織が閉鎖的であったり、行進的であったり、また経営者の資質がイマイチで、従業員が常に経営者の顔色を伺うような同調圧力が強く作用するような職場であれば、コミュニケーション能力を磨くことが難しいからです。

こういった職場風土を個人が変革することは現実的には不可能ですから、まずは自分がどこに身を置くのか慎重に選ぶこと、また自分に合わないなと思ったら、さっさと他の場所に移れるように、難関の国家資格を取得したり、副業でもって経済的に余裕を持っておいたりすることです。

 

参考

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