番外編;入社したらすぐに始めたい確定拠出年金運用ガイド

確定拠出年金のしくみ


(前回のおさらい1)日本の年金制度

「確定拠出年金」とは企業年金のひとつであり、企業が独自に公的年金(国民年金、厚生年金)に上乗せして、自社の従業員が受け取る年金の額を増やすことのできる制度です。

企業年金には「確定給付型(DB)」と「確定拠出型(DC)」の2つのタイプがあり、これらの掛金はどちらも会社が負担しています。掛金の額はみなさんの給与の額に応じた標準報酬月額と掛金の料率によって決まります。

確定給付年金(DB)と確定拠出年金(DC)の大きな違いは、前者は将来受け取る年金の額(給付額)が確定している一方で、年金資産の運用成績が悪い場合には、将来の年金額を保証するために、会社が掛金を追加拠出しなければならないリスクがあります。

後者は会社が支払う毎月の掛金(拠出額)は変わりませんが、運用成績の良し悪しによって将来受け取ることのできる年金の額(給付額)が変動します。最悪の場合は元本割れを起こしてしまうこともありますので、年金資産の運用リスクはみなさん自身が負うということになります。

 

 

(前回のおさらい2)確定拠出年金が増えた背景

確定拠出年金制度の導入企業はこの10年で急激に増加しましたが、その理由は大きく2つあります。ひとつ目の理由は、日本社会における少子高齢化が急速に進行したことによって、公的年金だけでは将来の老後資金を確保することが難しくなったことです。

ふたつ目の理由は、確定給付型の企業年金制度の主流だった企業年金基金が、元々の杜撰な資金運用に加えて、平成不況やリーマンショックによって年金資産の運用成績が著しく悪化し、AIJ事件をきっかけに相次いで解散してしまったことです。

これまでは公的年金と確定給付型の企業年金制度によって、国や会社が従業員に代わって年金資金の運用を行うことで、ある程度の老後資金を用意してくれていましたが、いまやこれら2つの年金制度をアテにできなくなってしまった以上、従業員の自助努力によって老後資金を形成する確定拠出型の年金制度を活用せざるを得なくなりました。

 

 

確定拠出年金制度のしくみ

確定拠出年金制度には「企業型」と「個人型」があります。「企業型」は会社が掛金を拠出し、従業員がその掛金を運用します。基本的に企業型に加入できるのは、勤め先が確定拠出年金を導入しているサラリーマンのみです(よって公務員や自営業者は加入不可です)。

「個人型」は自営業者や従業員が自ら掛金を拠出し、自ら運用して老後資金を蓄えるというものです。最近「iDeCo(イデコ)」という愛称で話題になっていますので、ご存知の方も多いと思います。

実は企業型にも「マッチング拠出」といって、会社が拠出した掛金に、従業員が上乗せ拠出する制度もありますが、マッチング拠出ができるかどうかは、勤め先の加入している制度の規約次第です。また企業型と個人型の併用についても同様です。

確定拠出年金の仕組みを簡単に説明すると、会社が従業員ごとに毎月の掛金を拠出し、投資運用会社がその拠出金でもって従業員の指図した投資信託を購入して長期運用します。

一般的な投資は個別銘柄投資といって、まず証券会社に証券取引口座を開設し、証券取引所に上場している企業の株式を売買します。最近はネット証券が株式投資の主流ですので、インターネットでもって手軽に株式売買ができます。

一方の投資信託とは、投資運用会社が株式や債券をセットにして○○ファンドという名称でもって投資家向けに出資を募り、ファンドマネージャーという投資のプロが一定期間運用して配当や売却益でもって投資家に利益還元するものです。

 

 

確定拠出年金のメリット

投資信託商品は一般的なネット証券でも購入可能ですが、確定拠出年金制度でもって運用するメリットは投資信託の運用益に対して所得税が課税されないということです。

一般的に株式や投資信託を運用して得られた配当益や売買益に対しては20%の所得税が課税されますが、確定拠出年金は「国民の老後の生活資金の形成促進」という公益性の強い目的があるため、配当益や売却益が非課税となっています。

なお確定拠出年金で運用している資金は60歳になるまで口座から引き出すことはできません。60歳に到達した時に、一時金として全額を一括で受け取るか、年金として毎年一定額を受け取るかのどちらかを選択することになります。

この際、一時金で受け取る場合は退職所得として、また年金で受け取る場合は雑所得として課税されますが、前者については当社が加入している中小企業退職金共済(中退共)や札幌市中小企業共済センター(さぽーと札幌)などの退職一時金と合算した上で退職金に係る優遇税制が適用されます。

一般的な確定拠出年金の制度について詳しく知りたい方は次のサイトから確認することができます。


 

 

つみたてNISAとの併用

「つみたてNISA(ニーサ)」は少額の長期積立投資に対して所得税を優遇する制度です。原則として年間40万円までの拠出に対して、それで得られた配当や売却益が非課税となります。

積立期間は最長で20年間ですので、総額で800万円迄の投資額であれば運用益が非課税となります。iDeCo(個人型確定拠出年金)との違いは、つみたてNISAの積立金は必要な時にいつでも引き出すことが可能であることです。

一方でiDeCoは年間で80万円以上の拠出が可能です。また年末調整の時には、年間の拠出金を生命保険料などと同様に所得控除できます。つみたてNISAの掛金には税制優遇措置はありません。

つみたてNISAと企業型確定拠出年金および個人型確定拠出年金(iDeCo)を併用することで、普通に株式や投資信託に投資する方法に比べ、税制面で有利に老後資金を蓄えることが可能です(もちろんみなさんの運用成績次第ですが・・・)。

そもそもサラリーマンは源泉徴収制度(年末調整)でもって、国に個人ごとの年収が詳細に捕捉されており、また自営業者に比べると経費で落とせる費用の選択肢が非常に狭い(医療費控除くらい)ので、iDeCoやつみたてNISAなどの非課税優遇制度を積極的に活用しましょう。

なお「つみたてNISA」と似た制度に「NISA」という5年間に限り年間120万円までの投資に対して優遇税制が適用される制度もありますが、これは老後資金形成のための手段とは趣を異にしますので、ここでは説明を割愛させて頂きます。

また将来的に事業主として起業を予定されている方は、他の節税方法を選択された方が有利になると思います。


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参考

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新社会人が検定資格を狙うべき理由

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