人事部の視点 話題のトピック

ひきこもり・ニート問題を人事屋視点で考える(後編)ひきこもり・ニート採用と人材育成のポイント


ひきこもり・ニートのリクルート

ひきこもりは転職サイトに登録しない

キャリアシートは人材投資目論見書

求職者が就活サイトに登録した時には、必ずと言ってよいほどキャリアシートの入力を求められます。

キャリアシートとはいわゆる履歴書や職務経歴書のことで、企業の採用担当者は面接試験を行う前に、このキャリアシートでもって書類選考を行います。そして求職者にとって、キャリアシートは自分を売り込むために必須のプレゼンツールでもあります。

内定率の高い求職者は、就職活動とは自分を売り込む商談の場であると考えており、「自分に投資すると、御社にとってこんなリターンが期待できますよ。」という具合に自分を投資商品に見立て、キャリアシートをまるで投資目論見書のように提示しながら明確なビジョンを語って自己PRを行い、成約(内定)を勝ち取ります。

 

就労挫折者の気持ち

デキるビジネスパースンは実績や仕事にまつわるエピソードが豊富なので、キャリアシートの限られたスペース内に、いかにして自己PR情報を簡潔明瞭かつ魅力的に表現するか、ということに頭を悩ませるものです。

一方でひきこもりやニートの多くは就労先で何らかの挫折を味わい、それがトラウマになって長らく職場から離れているため、キャリアシートの経歴や特技の欄を隙間なく埋めることは容易ではなく、むしろ精神的な苦痛を伴う人もいるでしょう。

このような事情から、一般的な求職者と違ってひきこもり・ニート層が積極的に転職サイトに登録するケースは極めてレアなのだということは知っておくべきです。

 

ダイレクト・ソーシングの時代

就職説明会の予約が埋まらない

従来は3月1日の就活解禁日を待って就活生が一斉に就活サイトへエントリーし、続々と就職説明会へ参加したものですが、2017年頃から就活サイトへのエントリーや就職説明会に参加する学生が激減しています。

理由は企業各社がインターンシップと称した個別の就職説明会を3年生の夏頃から開催し、学生に就労体験をさせながら、長期的にじっくりと選考を行うようになったからです。

そして学生側にとっても複数の企業で体験就労を行いながら、自分と企業との相性を見極めることができるので、求人者と求職者がインタラクティブにコミュニケーションしながら、お互いに納得した上で就職を決めるダイレクト・ソーシングが徐々に広まりつつあります。

 

選考管理採用からダイレクト・ソーシングへ

従来の採用は「選考管理型」と言われ、たとえるなら魚群を一網打尽にしてから規格外の魚をはじいてゆく減点方式だったので、低学歴やキャリアの無いひきこもりやニートはエントリーの段階で門前払いされやすく、彼らにとっては取り付く島もない状況でした。

しかしダイレクト・ソーシングは求人側と求職側が時間をかけて対話を重ね、お互いの理解を深めつつ合意形成に至る、いわば一本釣り型のリクルート方式なので、求職者にとっては表面上の経歴よりも自分の人柄や仕事への想いをアピールしやすくなります。

ゆえにこれまでのようにキャリアシート上の文字情報のみでバッサリと切り捨てられることは少なくなるだろうと予想しています。

 

ダイレクト・ソーシングを徹底活用する

ダイレクト・ソーシングのスキーム

ダイレクト・ソーシング・システムは就職情報社大手のDODAやリクルートなどが先行していますが、最近ではITベンチャーのイグナイトアイ社のSONAR(ソナー)がひそかにシェアを拡大しており、大手ベンダーの脅威となりつつあります。

SONARは就活サイト、人材紹介、求人誌などの求人媒体を問わず、求人票の管理と応募者の選考を一元処理できる優れものです。

SONARを導入することで、何十社もの求人サービスを採用担当者1人でコントロールすることができるようになるので、マンパワーの無い小規模企業であっても、日本全国の求職者に対して求人広告の「絨毯爆撃」を仕掛けることができるのです。

 

求人情報誌の無くなる日

SONARの真の強みは求人票や採用プロセスの一元管理だけではなく、Sniping(スナイピング)と呼ばれるWeb求人広告システムにあります。

Snipingは求人誌や転職サイトなどを通さずに、例えばビッグデータをもとにターゲットとする求職者がアクセスしそうなWebサイトを解析し、そこへ自社の求人広告をダイレクトに表示させるものです。

そして自社に興味をもった人が求人広告をクリックすると、SONARの画面にジャンプするという仕組みになっています(つまり日本全国の企業がSONARとSnipingを導入すれば、もはや求人媒体は不要です)。

ひきこもりやニートはITリテラシーの高い人が多いため、Snipingを活用することで求職登録をしない彼らに対してダイレクトに採用アピールを行うことができるのです。

 

ひきこもり・ニートをどう活かすか

人材育成なくして採用なし

ひきこもりやニートの人達の多くは、充分な職業トレーニングや就労経験を積む機会に恵まれてこなかったため、自社の業種や採用職種に合わせた手厚い人材育成プログラムの提供が必要です。

しかしこれはひきこもりやニート人材に限ったことではなく、今の人材不況下においては、資格、経験、人柄などが三拍子揃った人材など滅多に応募してくるものではありませんので、人柄重視でとりあえず採用し、資格や経験の不足は社内教育で補って完成形に仕上げるくらいの逆転の発想がなければ、いつまで経っても人材不足など解消しないでしょう。

 

アフターコロナの人材教育

新型コロナ禍による三密回避・外出自粛によって、ZOOMなどを活用したウェビナー(Webセミナー)が活況を呈しています。

また最近は教育系やビジネス系のYoutuberが増えてきており、社員教育レベルに耐えうる高品質なコンテンツも出てきました。

よって企業においては人事部が中心となって、従来のE-ラーニング教材と併せて、自社のバリュー(行動規範)にふさわしいコンテンツを取捨選択し、Webベースの人材教育プログラムを体系的に構築することで、効果的な人材育成を行ってゆくことができるでしょう。

 

原則はテレワークの職場が基本

これまで「ひきこもりやニートの現状」、「企業が彼らを積極的に採用すべき理由」、そして「効果的な活用方法」について3部構成で解説してきましたが、これらの実現可能性の高い職場は当面の間はテレワーク中心の業種や職種に限られると思われます。

様々な統計データや調査レポートを見る限り、ひきこもりに至る動機で最も多いのは職場の人間関係での失敗であり、またひきこもりの多くは対人コミュニケーションが苦手な人が多いため、基本的に対面型の接客販売・サービス業や、長時間の集団生活が前提となる病院などの職場は向いていません。

むしろ個々の役割と職責が明確で、Teamsなどを業務のプラットフォームに活用し、ウェットな人間関係を介さずとも業務マネジメントが可能な業種や職種であれば、短期間でひきこもり人材を戦力化できるのではないかと考えています。

 

参考

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