投資信託を理解するにはまず株式投資から
これまで新入社員の教科書シリーズの番外編として、確定拠出年金制度を活用した老後の生活資金形成のための資産運用方法についてご紹介してきました。資産運用といえば一般的には投資ですが、今回は代表的な投資手法である株式投資のしくみについて解説します。
なお一般的に確定拠出年金で運用される投資商品は投資信託ですが、投資信託(ファンド)の中身を構成しているのは個々の企業の株式(個別銘柄)ですので、投資信託運用の前提条件として、ぜひ株式投資のしくみを理解しておきましょう。
さて株式投資とは株式会社に対して投資をおこなうものです。株式会社とは、会社設立にあたり、もし会社が儲かったら利益を分配するという約束でもって投資家から出資を集め、その資金を元手に事業を行う会社形態をいいます。
この出資者を「株主」といい、元手とする出資金を「資本金」といいます。また儲かった時に分配する利益のことを「配当」といいます。配当は出資額に応じて株主に分配されますが、その配当を受け取るための権利証が「株券(株式)」です。株式の価格(株価)は同じ会社であればどれも同一ですので、出資額の多寡は保有する株式の数によって決まります。
普通の株式会社では身近な縁者から出資を募って設立しますが、一定の基準を満たした会社の株式は証券取引所で大々的に売り出すことができます。自社の株式が証券取引所を通して自由に売買できるようになると、より多くの投資家から幅広く莫大な資金を調達することができます。
このように自社の株式を証券取引所で売買できるようにすることを「株式上場」といいます。不特定多数の出資者から多額のお金を預かって運用することになりますので、上場には厳しい審査をパスすることが要求されます。
余談ですが株式上場には資金調達力がアップすること以外にも、厳しい上場審査に合格することで社会的な信用度が増したり、それによって社員のロイヤリティが上がったりと、多くのメリットがあります。上場企業の社員の平均年収は、非上場企業よりおよそ100万円高いという統計データもあります。
株式投資で得られる利益
投資家には機関投資家と個人投資家がいます。機関投資家とは企業年金基金などに代表されるような巨額の資金を組織的に運用する団体であり、個人投資家とはみなさんのように確定拠出年金を運用したり、ネット証券口座を開設して少額の投資を行ったりする人をいいます。
これら投資家の目的は有望な投資先に出資することで利益を得ることです。株式投資で得られる利益には、利益の分配である「配当益(インカムゲイン)」と、購入価格と売却価格の差益で得られる「売買益(キャピタルゲイン)」の2種類です。
配当益と売却益以外にも、優良な株主に長く自社株を保有して欲しい企業が「株主優待制度」を設けている場合もあります。例えば株主限定でその企業の商品やサービスを特別価格で購入できる権利などです。
株式投資のリスク
上場企業の株式は、証券取引所で自由に売買できます。証券取引所では毎朝8時30分に株式の売買が始まり、午後3時に終了しますが、株式が証券取引所で日々売買できるということは、投資家の需給関係によって株価も日々変動するということです。
その日の取引で最初に売買成立した株価を「始値(はじめね)」、取引終了時に売買が成立した株価を「終値(おわりね)」といいます。また取引時間中の最も高い株価を「最高値(さいたかね)」、最も低い株価を「最安値(さいやすね)」といい、その株式が値上がり傾向にあるのか、逆に値下がり傾向にあるのか今後の株価の動向を判断する指標となります。
ちなみにこれら上場株式の中で、東京証券取引所の第一部(野球の一軍みたいなもの)で取引されるおよそ2,000社の株式のうち、代表的な225社の株式の平均を出したのが、経済ニュースでおなじみの「日経平均株価」です。
さて、今回のコロナショックにより日経平均株価が暴落したことは、すでにご存知のことと思いますが、このように株式投資の最も大きなリスクは株価の値下がりによる損失です。
購入価格より株価が下がると、売却したときに差損が生じます。
売却しなければ損失は確定しませんが、購入価格よりも時価評価額が下がっていますので、「含み損」が生じている状態であり、売るに売れずに長期的に保有しつづける状態となります(これを「塩漬け」といいます)。
投資した資金が塩漬けになると資産運用ができなくなりますので、株価の値下がりはなんとしても避けたいところです。株価の下落は企業の業績悪化だけではなく、社内の不祥事や業界の風評被害などによっても発生します。
最後に金融庁より投資の基礎知識やメリット・デメリットなどをまとめたサイトが公開されていますので、実戦に入る前に一度しっかり眼を通しておかれることをお勧めします。
参考
人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由
世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。
そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。
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ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。
人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!
フィナンシャル・プランニング技能士3級
税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。
ビジネス実務法務検定3級
世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。
日商簿記検定3級
企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。
ITパスポート試験
今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。
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