人事部の視点 採用管理の仕事

意外と知らない人材採用のイロイロ


新卒採用と中途採用

新卒と中途をそれぞれ採用する目的

人材採用の目的は企業経営の4大資源(ヒト、モノ、カネ、情報)のひとつである「ヒト(人材)」の調達です。現在は少子高齢者と人口減少社会の到来によって採用難の時代と言われており、人材不足倒産など深刻な社会問題となっていますので、人材の確保はどの企業においても喫緊の課題です。

人材採用を大まかに新卒採用と中途採用に分けられます。新卒採用は自社の文化を次世代へ継承するために新人採用し、イチから自社仕様に育成してゆくことが目的であり、中途採用は社内に不足している特定の能力やスキルをもった人材を、社外から採用することによって手っ取り早く補強することが目的です。

 

新卒と中途採用の選考基準は違う

新卒採用は、その人材の将来的な成長がどれだけ期待できるかというポテンシャル(潜在能力)でもって採否を判断します。ポテンシャルがあるかどうかの判断基準はズバリ人間性です。

たとえば明るくて素直で快活な人柄であれば、成長のために周囲の協力やサポートを得やすいでしょうし、勉強や部活に打ち込んだ経験があれば、長期に渡って自己研鑽の努力を惜しまない人物であろうと推察できます。

一方の中途採用は、まず求人職種のJD(職務要件定義)を満たす資格、能力、技能、経験を有していることが最低条件です。中途採用は即戦力採用ですので、求めるJDを満たしていなければ、その時点で選考対象外です。

次に自社のミッション(経営理念)やバリュー(行動規範)に合致した価値観を有しているか?ということを確認します。いくら能力が高くても、価値観の合わない人材を採用してしまうと、なまじ即戦力だけにその後の弊害が大きいので注意が必要です。

 

メンバーシップ型採用とジョブ型採用

メンバーシップ型採用は昭和の残骸

メンバーシップ型採用とは、まず自社の社風に合いそうな人材を採用し、営業や製造もしくは事務などの社内各部署を長い時間をかけて経験させ、最終的にその人材の適性に見合った部署に配置するという考え方です。

メンバーシップ型採用は日本企業独特の採用手法であり、終身雇用と年功型賃金制度が前提となっています。

「就職(職に就く)」というよりも「就社(職場に帰属する)」というニュアンスの方が強いですが、終身雇用と年功序列制度が崩壊し、転職が当たり前となった今の時代においては、メンバーシップ型採用はあまり意味がありません。

むしろメンバーシップ型採用は同質な人材ばかりを集めてしまう傾向があるため、社内が閉鎖的なムラ社会となりやすいこと、またあちこちの部署をローテートさせるため専門職が育たず、組織全体が素人集団化してしまうといった弊害の方が大きいと思われます。

 

ジョブ型採用のメリット

ジョブ型採用は社内各部署の業務について、それぞれJD(職務要件定義)を整理し、JDに合致した人材を採用する方法です。

ジョブ型採用では個々の社員の役割と責任の範囲が明確ですので高度な専門スキルを持った人材を育成しやすく、また求人を行う際の職務内容が明確で、なおかつ職種ごとの世間相場に応じた給与条件を設定できるため、中途採用を行いやすいという利点があります。

 

メンバーシップ型採用では人材は確保できない

今のような労働力不足の時代は、新卒一括採用でもって人員を充足し続けることは現実的ではありませんので、積極的に中途採用を行ってゆく必要があります。一方で中途採用者の側からみると、超売り手市場のご時世に、わざわざ「年功型仲良しクラブ」といった閉鎖的な企業へ転職したいとは思いません。

また最近の企業の平均寿命は20年程度ですから、新卒入社から定年まで40年勤めるとしても最低1回は転職しなければなりませんが、メンバーシップ型採用を行っている企業に入社すると、いざ転職しなければならなくなった時に、現在の勤め先でしか通用しないただの便利屋になってしまっているリスクがあります。

 

障害者雇用は法律で義務付けられている

政策的に企業に義務付けられているのが障害者雇用です。これは「障害者雇用促進法」でもって、企業の規模に応じた障害者の法定雇用率が定められており、企業は公共職業安定所へ毎年の雇用状況を報告する義務があります。

もし未達の場合は未達部分について1人あたり月5万円の納付金(ペナルティ)が課され、クリアした場合は超過部分について月2万7千円の調整金(インセンティブ)が支給されますが、これらの額はあくまでも月額ですので、企業の人員数によっては年間でかなりの金額になります。

 

積極的に活用したい高齢者採用

超高齢社会で若年労働者が減少していますが、裏を返せば高齢者を労働力として活用しない手はありません。一般的に60歳を迎えると還暦といって、かつては高齢者の仲間入りと言われていましたが、今の時代、60歳を超えても仕事に遊びにとバリバリ活躍されている方は珍しくありません。

高齢者の雇用については高年齢者雇用安定法によって定年は60歳以上とし、65歳まで雇用を継続しなければならない旨、定められています。

このため65歳までの雇用継続のために高年齢雇用継続給付金制度が設けられており、また65歳以上の高齢者の雇用促進のための雇用開発助成金や雇用推進助成金などもあります。

 

課題山積の外国人雇用

最近、少子高齢化による国内労働力の不足が深刻な問題となっており、これを外国人労働力で補おうという動きが広まっています。現在、日本で就労している外国人はおよそ280万人おり、日本は国際的にも外国人就労者の数が多いのですが、政府は移民を認めてはいません。

外国人労働者が就労するためには、主に外国人技能実習制度や特定技能制度を利用しなければなりませんが、適用される業種や就労できる年数に限りがあること、また監理団体の不正などによって、なかなか健全な運用に至っていないのが実情です。

 

意外と知らない人材派遣の仕組み

人材調達の方法に人材派遣というものがあります。たまに派遣労働者と自社の労働者の区別のつかない方もいるようですが、派遣労働者は派遣元(派遣会社)に雇用され、派遣先(派遣契約先)で就業します。

派遣元(派遣会社)は派遣先に人材派遣料を請求し、その中から派遣労働者の給与を支払います。

人材派遣についてはどんな職種でも可能という訳ではなく、労働者派遣法でもって港湾作業、建設作業、警備業務、医療施設での臨床行為、弁護士などの士業については禁止されています。

また期間についても同一の派遣労働者が同一の職場で働くことができるのは3年間と決められています(抵触日)。派遣労働者が抵触日を迎えた場合、派遣先の企業はその派遣労働者を自社の社員として直接雇用するか、もしくは個別派遣契約を終了することになります。

なお人材派遣業の許可のない企業が、自社の社員を出向と称して他社で就業させ、利益を得た場合には公共職業安定法違反となりますので注意が必要です。

 

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