日本における資産運用
これまで年金制度および確定拠出年金について解説してきました。
確定拠出年金とは、会社が拠出した掛金をみなさん自身が運用することで老後の生活資金を形成する仕組みであることはおわかり頂けたかと思います。ここでは確定拠出年金制度のキモである投資の基礎について解説します。
さて、昔から日本人は貯蓄好きな国民性であると言われており、今でも資産運用は定期預金一本という方は少なくありませんが、海外では資産は投資して運用するのが常識であり、特に欧米では高校の授業で資産運用や投資について基礎を学んでから社会へ巣立ってゆくのが一般的です。
資産運用についてもう少し具体的に説明すると、将来の大きな出費に備えて手持ちの資金を有利な投資先に預託し、効果的に資産を利殖してゆくことを言います。
将来の大きな出費の代表的なものとして、「子供の教育費」、「マイホームの購入費」、「老後の生活費」などがあげられます。これらはライフイベント(人生の節目)の三大出費とも言われていますが、中でも老後の生活資金を形成するための有効な手段のひとつが確定拠出年金です。
検定資格を利用して資産運用を学ぼう
資産運用の方法には、例えば定期預金にお金を預け入れる、株式や債券に投資する、不動産や金を購入する、積立保険に加入する、などと実に様々な手段がありますが、鉄リサイクル確定拠出年金制度で運用するのは投資信託ですので、他の運用手段についての解説は割愛します。
資産運用についてもっと詳しく知りたい方は、日本FP協会/金融財政事情研究会のFP技能士3級のテキストを読まれることをオススメします。
資産運用のためにわざわざ検定試験に合格する必要はありませんが、このような検定試験のテキストは要点のみ体系的にまとめられているため、資産運用の全体像を効率的に理解することができます(旧版であれば楽天Booksで格安購入できます)。
定期預金は本当に安全か?
かつての日本では、資産運用といえば金融機関の定期預金にお金を預け入れる方法が一般的でした。それは相場の下落による元本割れリスクのある株式投資に比べると、満期に元金全額が戻ってくる定期預金の方がリスクを好まない安定志向の日本人の気質に合っていたからです。
しかし現在の超低金利下では、定期預金に資金を預けていても利殖することはほぼ不可能です。これは青森銀行の定期預金と普通預金の過去20年間の推移ですが、バブル景気の頃には年利6%以上だった金利が2011年には0.056%に低下しています。
(出典;青森銀行ホームページより)
ちなみに2020年4月時点の同行の定期預金金利は0.01%ですので、100万円を1年間預けても、わずか100円の利息しか得られません。さらにその100円から所得税が差し引かれるため、利殖効果など全く期待できません。
一方で物価は上昇しています。下のグラフは政府統計を元に人事部が作成したものですが、この半世紀の間にモノの値段はおよそ3倍に上昇しています。つまり50年前は1万円で購入できたモノが、今は3万円支払わないと手に入らないということです。
(出典;政府統計e-statよりGIGWORKS作成)
このように定期預金では物価の上昇(インフレ)には対処できません。
リスクを避けて定期預金のみで資産運用すると、いざ老後にお金を引き出した時に、アテにしていた生活資金の3分の1しかカバーできなくなる危険性があるということです。もはや定期預金は安全資産などではありません。
カードローン破産に陥る思考停止した人達
余談ですが某地銀の定期預金の金利も年利0.01%ですが、この銀行は地元出身のタレントをCMに起用し、個人向けに年利14.95%のカードローンを売り出しています。
これは銀行サイドから見ると0.01%の超低金利で資金調達を行い、14.95%の高利で貸付するというまさにボッタクリのビジネスです。
一般的なビジネスパースンであれば、こんな簡単なカラクリにはすぐ気づきますので、間違っても14.95%でおカネを借りて、0.01%で定期預金を組むような愚は犯さないはずです。
かつてカードローン破産といえば、情弱の多い若者世代の専売特許みたいなものでしたが、最近は分別のある世代であるはずのシニア層が多重債務に陥るケースが急増しています。
これは融資件数が伸びずに金利差で利ざやを稼ぐことのできなくなった金融機関が、先の某地銀のように個人向けカードローンに積極的に進出し始めたこと、そして「銀行=信用」という古い常識に囚われて思考停止した年配者が、“カモネギ”よろしく次々と引っかかってしまったことが大きな理由です。
付け加えるならクレジットカードのリボルビング払い(通称「リボ払い」)は、金利返済優先でなかなか借入元金が減らないシステムですから、いずれカード破産に直行です。なぜ金融庁や消費者庁がこんなイカサマ商品を放置しているのか理解できません。
とくにカード会社のウェブサイトから残高チェックを行っていると、まるでユーザーの押し間違いを誘発するかのような位置に「リボルビング払いに変更する」ボタンがデカデカと設置されていますのでご注意下さい。
ここまでくるともはや国家ぐるみの犯罪と言っても過言ではありませんが、読者の皆さんは絶対にリボ払いはしないでください。
株式投資はインフレリスクを超える
閑話休題。株式は債権であり、厳密にはコモディティ(モノ)とは異なりますが、市場(証券取引所)で流通しているため価格(株価)があり、この価格は日々変動します。
これは東証一部上場株式の平均株価と消費者物価指数との相関を表したグラフです。全期間を平均すると株式投資の収益率が消費者物価上昇率を上回っていることがわかります。
(出典;三井信託銀行ホームページより)
一見、定期預金に比べてリスキーに思える株式投資ですが、長期スパンでもって運用した場合は、かえって定期預金よりも安全な投資方法であると言えます。
参考
人事部長オススメの新社会人が取るべき検定資格TOP4
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新社会人が検定資格を狙うべき理由
世の中を賢く生きてゆくためにはお金と法律の知識は必須です。また仕事で成果をあげるためには、会社が利益を生み出す仕組みを理解するがあります。さらに今のご時世は営業だろうが事務だろうが、ITを使いこなせない人は仕事のスタートラインにすら立つことはできません。
そこで「資格を取りましょう!」と言いたいところですが、筆者は新社会人には難関国家資格はオススメしません。新入社員は本業で覚えなければならないことがたくさんあるので受験勉強の時間を捻出するのが大変な上に、年一回の試験日に急な仕事が入ってその年の受験そのものをキャンセルしなければならなくなるリスクが高いからです。
「じゃあどうすればいいの?」という人のために、筆者は検定資格を勧めています。検定資格であれば年に2~3回受験できますし、1~2ヶ月くらいの学習期間で短期合格も充分アリなので達成感もあります。
ここでは上場準備企業の現役人事部長であり、自身も20種類以上の検定資格を取得してきた筆者が、今後のキャリアアップのために新入社員が絶対に取得しておきたい4つの検定資格をご紹介します。
人事部長オススメの新社会人が狙うべき検定資格TOP4!
フィナンシャル・プランニング技能士3級
税金、金利、年金、保険など、社会を生きてゆく上で必須であるお金に関する知識を網羅的に学ぶことができます。自己責任の時代においては老後資金の形成に投資は不可欠ですが、運用リスク回避のポイントは若い頃から長期運用することです。またお金の基礎知識さえあればうっかりリボルビング払いをしてカード破産してしまうリスクも回避できます。
ビジネス実務法務検定3級
世の中は売り手と買い手、使用者と労働者など、他人同士の利害関係で成り立っているといっても過言ではありません。そして利害関係にはコンフリクトがつきものですが、それを解決するためのルールこそ法律なのです。そして法律は「知っている者に味方する」とも言われます。法律の基本を知ることで詐欺やハラスメントから身を守ることができます。
日商簿記検定3級
企業の経営活動は全て財務諸表に集約されます、つまり簿記の知識さえあれば会社がどのような仕組みで運営されているのか知ることができ、営業職であろうと事務職であろうと会社から評価されやすい仕事をすることができるようになります。さらに簿記の知識があると株式投資や家計管理にも応用でき、堅実に資産形成することができます。
ITパスポート試験
今やIT知識はビジネスに必須であり、IT知識の有無がハイパフォーマーと情弱ワープアの分かれ道となることは間違いありません。ITパスポート試験はパソコンに限らず、ネットワークや情報セキュリティなどの仕組みもしっかり学ぶことができますので、業務システムの運用だけでなく、ネット副業を始める時も役立つこと間違いありません。
コスパ最強の検定試験学習ツール「オンスクJP」のご紹介
これら4つの検定資格をいかに効率的に取得するか?ということですが、検定試験の学習ツールとして筆者のイチオシがオンスクJPです。
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筆者推奨の4つの検定資格もしっかりとカバーされていますので、オンスクJPを活用しない手はありませんね!

