
被扶養者の削除手続き、適切に対応できていますか?
スタッフの家族が就職した、パート収入が増えたなど、被扶養者の削除が必要となる場面は意外と多いものです。
扶養追加の手続きに比べ後回しにされがちですが、対応が遅れると保険給付の過誤や遡及精算につながることもあります。
本記事では、健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入するクリニックを対象に、被扶養者を削除する(扶養から外す)際の手続きを解説します。
健康保険の被扶養者削除が必要となる主な事由と手続きの注意点
扶養から外れる(被扶養者の削除)主な事由
被扶養者であるスタッフの家族が次のいずれかに該当した場合、速やかに被扶養者削除の届出(健康保険被扶養者(異動)届)を行う必要があります。
- 収入の増加
- 年間収入の見込み額が130万円以上となったとき(60歳以上または障害者は180万円以上、19歳以上23歳未満は150万円以上)
- 雇用保険の失業等給付の受給が始まったとき(日額3,612円以上の場合)
- 同居している場合、被扶養者の収入額が被保険者(スタッフ)の収入の半分以上になったとき
- 別居している場合、被扶養者の収入額が被保険者(スタッフ)からの仕送り額を超えたとき
- 身分・生活状況の変化
- 就職などにより、被扶養者本人が健康保険・共済組合・国保組合等に加入したとき
- 離婚や離縁など、家族関係が解消されたとき
- 死亡したとき
- 同居が認定要件となっている親族(おじ・おばなど)が別居することになったとき
- 日本国内に住所を有しなくなったとき(海外特例要件に該当する場合を除く)
- 年齢
- 後期高齢者医療制度の被保険者(原則75歳以上)になったとき
公的医療保険制度により異なる「国民年金第3号被保険者関係届」の手続き
扶養から外れる家族が「20歳以上60歳未満の配偶者」である場合は、健康保険の届出と合わせて、国民年金の第3号被保険者に該当しなくなった旨の届出も必要です。
協会けんぽに加入している場合
「健康保険被扶養者(異動)届」と「国民年金第3号被保険者関係届」が一体となった様式が用意されており、一度の届出で手続きが完了します。
健保組合に加入している場合
組合への扶養削除の届出に加えて、年金事務所へ別途「国民年金第3号被保険者関係届」を提出する必要があります。
国民健康保険組合と厚生年金保険に加入している場合
国保組合に対して被扶養者の資格喪失の届出を行うほか、年金事務所へ別途「国民年金第3号被保険者関係届」を提出する必要があります。
なお、厚生年金ではなく国民年金に加入するクリニックの場合、第3号被保険者関係届の提出は不要です。
健康保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届の手続き
提出期限
事由が発生したときに、その都度、速やかに行います。
提出先
クリニックの所在地を管轄する日本年金機構の事務センターまたは年金事務所へ提出します(健康保険組合の場合は、組合へ提出)。
提出方法は、郵送や窓口持参のほか、電子申請も可能です(健保組合の場合は、電子申請に対応していないケースもあります)。
届出様式
「健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届」を使用します。
様式は日本年金機構のホームページからダウンロード可能です。
添付書類
- 資格確認書など
- 被扶養者に交付されている資格確認書をはじめ、高齢受給者証・特定疾病療養受療証・限度額適用認定証などを、スタッフから回収して添付する必要があります。
紛失等により資格確認書を回収できない場合は、「健康保険 資格確認書回収不能届」を代わりに添付します。
- 被扶養者に交付されている資格確認書をはじめ、高齢受給者証・特定疾病療養受療証・限度額適用認定証などを、スタッフから回収して添付する必要があります。
健康保険組合は、協会けんぽと申請書の様式や添付書類が異なる場合があるため、必ず組合に手続きの詳細を確認してください。
よくある質問
家族がパートを始めて収入が増えました。すぐに扶養を外す必要がありますか?
年間収入の見込み額が基準(130万円。19歳以上23歳未満は150万円、60歳以上等は180万円)を超えると判断された時点で、速やかな届出が必要です。
「結果として年収が基準を超えた」ではなく、「今後1年間の見込み額が基準を超えるかどうか」で判断します。
勤務日数や時給をもとに年収の見込み額を試算し、基準超過が見込まれる場合は速やかに扶養削除の手続きを行いましょう。失業給付の受給中も扶養に入り続けることは可能ですか?
失業等給付の日額が3,612円以上(19歳以上23歳未満は4,166円以上、60歳以上等は5,000円以上)であれば、受給開始とともに扶養から外れる必要があります。
子供が就職しました。扶養削除の手続きのタイミングはいつですか?
就職先の健康保険(もしくは共済組合・国保組合)の資格取得日が扶養削除の事由発生日となります。
多くの場合は入社日がそのまま資格取得日となりますが、日付を確認のうえ、速やかに届出を行ってください。
手続きに迷ったときは、専門家への相談も選択肢のひとつです
健康保険の被扶養者削除手続きは、スタッフのライフイベントのたびに発生する重要な実務です。
しかし、被扶養者の該当・非該当要件の判断から書類作成・提出まで、診療と並行して対応するのは院長先生にとって大きな負担となります。
煩雑な事務処理を専門家に任せることで、診療や経営に集中できる環境が整います。ぜひ一度、当事務所へご相談ください。
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