
スタッフの配偶者が扶養に入る・外れる際の年金手続き
スタッフのライフイベントに伴う社会保険の手続きは、避けて通れない重要な実務の一つです。
なかでも配偶者が扶養に入る・外れる際に提出が必要となる「国民年金第3号被保険者関係届」は、クリニックが加入する公的医療保険の種類によって手続きの流れが異なるため、戸惑うことも多い届出の一つでしょう。
本記事では、歯科医師国民健康保険組合(以下、国保組合)や健康保険組合(健保組合)に加入するクリニック向けに、この届出の概要を解説します。
国民年金の第3号被保険者とは?認定要件と届出が必要なタイミング
第3号被保険者の定義
国民年金第3号被保険者とは、厚生年金等に加入する「第2号被保険者」に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者を指します。
その認定要件は、健康保険における被扶養者の認定要件と基本的に同様です。
なお、第3号被保険者の保険料は第2号被保険者全体で負担する仕組みのため、配偶者本人が納付する必要はありません。
届出が必要になる主な場面
以下のような事由が発生した場合に届出が必要です。
該当(新たに扶養に入るとき)
- スタッフが結婚し、配偶者が扶養に入るとき
- 配偶者の収入が減少し、扶養要件を満たすようになったとき
- 被扶養配偶者が20歳に到達したとき
非該当(扶養から外れるとき)
- スタッフが離婚し、配偶者が扶養から外れるとき
- 配偶者が就職し、自身で社会保険に加入したとき
- 配偶者の収入が増加し、扶養要件を満たさなくなったとき
- 配偶者が死亡したとき
変更・訂正
- 配偶者の氏名・生年月日・性別に変更や訂正が生じたとき
公的医療保険の種類によって手続きの流れが異なる
クリニックが協会けんぽに加入している場合は、「健康保険 被扶養者(異動)届」と「国民年金第3号被保険者関係届」が一体となった様式を使用します。つまり、1枚の届書で両方の手続きを同時に行えます。
一方、国保組合や健保組合に加入している場合は、「国民年金第3号被保険者関係届」単独の様式を別途提出する必要があります。
歯科クリニックでは、国保組合と厚生年金保険の両方に加入するケースが少なくありません。
この場合、国保組合への被扶養者追加の手続きとは別に、年金事務所への届出が必要になります。
本記事では、このケースを中心に解説します。
国民年金第3号被保険者関係届の手続き
提出期限
事実発生(婚姻、離婚、収入増など)から14日以内に提出します。
提出先
提出先は日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)です。
手続きは、スタッフの勤務先であるクリニックを経由して行います。
提出方法は、電子申請・郵送・窓口持参のいずれかを選択できます。
届出様式と記入上の注意
「国民年金第3号被保険者関係届」の様式は、日本年金機構のホームページからダウンロード可能です。
記入の際は、配偶者の個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号が必要です。
事前にスタッフ本人へ確認しておきましょう。
なお、様式の「⑪配偶者の加入制度」欄は、国保組合に加入するクリニックの場合、「31.厚生年金保険・健康保険」を選択します。
第3号被保険者に該当することの証明
国保組合や健保組合に加入している場合は、「健康保険被扶養者(異動)届)」と同時に届出ができる協会けんぽと異なり、下記の通り配偶者が第3号被保険者の要件を満たすことを証明する必要があります。
なお、年金事務所によって求められる証明方法に多少の違いがありますので、提出の際は管轄の年金事務所へ確認することをお勧めします。
国保組合の場合
事業主(クリニック)が認定要件を満たしているかを確認した上で、届書の「医療保険者記入欄」に証明を記入します(国民健康保険には扶養の制度がないため、医療保険者に代わり事業主が証明します)。
健保組合の場合
「医療保険者記入欄」に健保組合の証明を受けるか、資格確認書や被扶養者認定を受けたことがわかる書類の写し、事業主が作成する健康保険の被扶養者であることの証明書などを添付します。
添付書類
該当(扶養加入)の届出を行う際は、以下の書類が必要となる場合があります。
- 収入確認書類:課税(非課税)証明書・退職証明書・雇用保険受給資格者証の写し・確定申告書の写し・年金額改定通知書の写しなど。
- スタッフの配偶者が所得税法上の控除対象配偶者または扶養親族に該当することを事業主が確認した場合は、原則として省略できます。
よくある質問
国保組合に加入している場合、第3号被保険者関係届の提出は不要ですか?
いいえ、提出が必要です。
国保組合は公的医療保険制度であり、公的年金とは別の制度です。
クリニックが国保組合と厚生年金保険に加入している場合は、国保組合への手続きとは別に、年金事務所へ「国民年金第3号被保険者関係届」を提出する必要があります。スタッフが退職したときも届出が必要ですか?
いいえ、不要です。
スタッフの厚生年金資格喪失手続きを行うことで、配偶者も自動的に第3号被保険者の資格を失うため、別途の届出は必要ありません。
社労士への手続き代行で事務負担を軽減しませんか?
国民年金第3号被保険者関係届は、クリニックが加入する公的医療保険の種類によって手続きの流れが異なるため、混乱が生じやすい実務の一つです。
診療業務やクリニック経営の傍ら、こうした複雑な社会保険事務を正確かつ期限内に完結させることは、院長先生にとって大きな負担となります。
事務手続きの適正化や効率化を図りたい場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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