
スタッフの育児休業、手続きの不安を解消しませんか?
スタッフの出産報告は喜ばしいニュースである一方、「育児休業の手続きはどうすればいいのか」「社会保険料の取り扱いは?」といった不安を感じる院長先生も多いのではないでしょうか。
小規模な歯科クリニックでは院長先生自身が人事労務を担当することが多く、慣れない事務作業に戸惑うことも少なくありません。
そんな育児休業の取得に伴う事務手続きの一つが、スタッフとクリニック双方の経済的負担を大幅に軽減できる「育児休業中の社会保険料免除」の手続きです。
本記事では、歯科クリニック院長が知っておくべきこの制度の概要や手続きの流れを、分かりやすく解説します。
育児休業中の保険料免除制度とは?
育児休業中の保険料免除制度とは、満3歳未満の子を養育するために育児休業を取得する場合に、休業期間中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の負担が免除される制度です。
保険料はスタッフ本人とクリニック負担分の双方が免除されます。
免除期間
原則として、育児休業を開始した日の属する月から、育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間の社会保険料が免除されます。
なお、開始日と終了日が同じ月であっても月内で14日以上の育児休業を取得した場合は、その月の保険料が免除されます。
制度のメリット
将来の年金額を計算する際、免除対象期間は保険料を納付した期間として扱われます 。
また、免除期間中も健康保険の給付は通常通り受けられます。
国民健康保険・国民年金は対象外
重要な点として、保険料の免除制度が設けられているのは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)のみとなっています。
国民健康保険・国民健康保険組合や国民年金については現在のところ育児期間中の保険料免除制度はありません(産前産後期間中の免除制度はあり)。
なお、国民年金については、育児期間中の保険料免除制度が2026年10月から開始される予定です。
国民健康保険組合によっては、独自に育児休業中の保険料免除制度を設けているケースもあります。
手続きの流れ
提出期限
育児休業の期間中、または育児休業終了日から1か月以内に事業主(クリニック)が提出します。
提出先
クリニックの所在地を管轄する日本年金機構事務センターもしくは年金事務所へ、郵送もしくは窓口持参で提出します。
健康保険組合(東京都歯科医師健康保険組合など)に加入している場合は、年金事務所に加え、ご加入の健康保険組合にも算定基礎届を提出する必要があります。
また、電子申請による提出も可能です。
必要書類
「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書」のみで、特別な添付書類は不要です。
申出書の入手先
申出書の様式は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
ダウンロードページには記入例も掲載されていますので、記入の際に参考にするとよいでしょう。
健康保険組合(東京都歯科医師健康保険組合など)は、独自様式を使用しているケースもありますので、各健康保険組合へ確認しましょう。
手続きのポイントと注意点
国民健康保険組合と厚生年金保険に加入している場合
歯科医師国民健康保険組合と厚生年金保険に加入している場合は、原則として厚生年金保険料のみが免除されます。
厚生年金保険料の免除手続きの流れは、健康保険と厚生年金保険に加入している場合と同じです。
育児休業を延長したとき
保育所に入所できない等の理由で育児休業を延長する場合、改めて申出書を提出する必要があります。
提出は延長した育児休業中もしくは休業終了日から1か月後までの間に行い、申出書の様式は初回の申請と同じものを使用します。
育児休業を予定より早く終了したとき
スタッフが予定より早く復職したなど、届出より早く育児休業を終了した場合は、休業終了後すみやかに「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者終了届」を提出する必要があります。
この手続きを怠ると、後日、保険料の精算が必要になる場合がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。
賞与の社会保険料も免除される
育児休業期間中に支給される賞与についても、下記の条件を満たせば社会保険料の負担が免除されます。
- 育児休業期間中に月末が含まれる月に支給された賞与であること
 - 賞与月の末日を含む連続した1か月を超える育児休業を取得していること
 
複雑な手続きは専門家にお任せください
育児休業中の社会保険料免除手続きは大きなメリットがありますが、申請期限や書類作成など細かなルールが多く、診療で多忙な院長先生には負担となりがちです。
また、手続きに不備があると、スタッフの経済的負担が増加する恐れもあります。
当事務所は、歯科クリニックに特化した社会保険労務士として、手続き代行をはじめとして、給与計算、日々の労務管理まで、幅広くサポートし、院長先生の負担を軽減します。
また、スポット対応も可能ですので、必要な時だけ専門家の力をご活用いただけます。
院長先生には診療業務に専念していただけるよう、まずはお気軽にお問い合わせください。
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