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同じ年収でも賞与の有無で年金額が変わるって本当?(ファィナンシャルフィールド/2023.01.19)

2024年1月11日

年収504万円を12ヶ月均等割でもらった場合、令和5年度東京都の40歳未満の標準報酬月額表で計算すると、社会保険料が約25千円お得になります。

なお平成15年4月の総報酬制導入前までは、賞与は社会保険料の対象外でした。また社会保険料は労使折半ですので、年収に占める賞与のウエイトを上げることで労使ともに社会保険料の節税が可能となっていました。

現在は社会保険制度や税制において、年収を賞与に振り分けるメリットはありません。

むしろ賞与は賃金の後払い的意味合いが強く、さらに賞与の支給要件に、支給日の在籍要件が認められていることから、今の大転職時代には、かえって実質年収を減らしてしまう恐れがあります。

個人的には採用時に提示した年収条件は12月均等割りで支給し、業績が好調だった時にボーナス(インセンティブ)にとして、従業員に対しても利益配当するのが、これからの時代にふさわしい人事戦略(報酬制度)ではないかと思料します。

会社にとっても賞与計算や賞与支払届等の事務コストを削減でき、賞与にかかる期間損益や資金繰りを平準化できるというメリットもあります。

  • この記事を書いた人

山口光博

コンビニの店長やスーパーの販売課長を経て、31歳の時に管理畑に転職する。以後、20年以上にわたってあらゆる人事マネジメントの実務に携わる。上場準備企業の人事部長として人事制度改革を担当した後に独立、現在に至る。

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