この記事では、健康保険の任意継続被保険者となるための手続き「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」の提出について説明します。
任意継続被保険者資格取得申出書の提出が必要なとき
退職などで健康保険の被保険者資格を喪失した後も引き続き健康保険に加入できる、健康保険の任意継続制度。
この制度の加入を希望するときに提出するのが、「健康保険 任意継続被保険者資格取得申出書」です。
本記事は協会けんぽの手続きをベースとして解説しています。健康保険組合で任意継続を希望する場合は、細部の手続きが異なる場合がありますので、資格喪失前に加入していた組合にご確認ください。
任意継続被保険者資格取得申出書の提出期限
資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内(土日祝日の場合は翌営業日)に提出します。
期日を過ぎると健康保険の任意継続被保険者になることはできませんので、注意しましょう。
任意継続被保険者資格取得申出書の提出先
任意継続被保険者となろうとする者(退職者)の住所地を管轄する全国健康保険協会(協会けんぽ)支部に提出します。
退職と同時に都道府県外に転居する場合は、転居先を管轄する協会けんぽが提出先になります。
任意継続被保険者資格取得申出書の様式と作成
任意継続被保険者資格取得申出書の様式
任意継続被保険者資格取得申出書の様式は、全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページに掲載されています。
様式のみ印刷して手書きで作成することも、インターネット上で必要事項を入力して印刷することも可能です。
任意継続被保険者資格取得申出書の作成
任意継続被保険者資格取得申出書には、被保険者の氏名・住所などを記入します。
下記の記入事項は資格喪失前の健康保険証や資格確認書に記載されているものを転記するとよいでしょう
- 在職時に加入していた都道府県
- 在職時の記号・番号
- 勤務していた事業所の名称と所在地
また、任意継続の被扶養者となる方がいる場合は、2枚目も忘れずに記入しましょう。
記入の際の注意点などは、協会けんぽのホームページに掲載されている記入例をご確認ください。
添付書類
被扶養者の認定要件を確認できる書類
任意継続制度で扶養に加入する親族がいる場合は、被扶養者の方の続柄や収入、被保険者との同居状況などを証明する書類の提出が必要です。
在職時から引き続き被扶養者となり、かつ、マイナンバーによる情報照会を希望する場合は、添付書類は必要ありません。
必要な書類は被扶養者の状況によって異なりますので、詳細は協会けんぽのホームページで確認いただくか、住所地の協会けんぽ窓口へお問い合わせください。
保険料の口座振替依頼書
口座振替による保険料の納付を希望する場合は、「保険料預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書」を添付します。
なお、口座振替依頼書は、初回の保険料納付書に同封されます。
振替手続きを急がない場合は、納付書が届いてからの提出でもかまいません。
退職日が確認できる書類
退職日が確認できる書類を添付すると、任意継続の資格取得にかかる時間が短縮されます。
- 退職証明書の写し
- 雇用保険被保険者離職票の写し
- 健康保険被保険者資格喪失届の写し など
退職日が確認できる書類の添付は任意です。また、事業主が資格取得申出書の「健康保険資格喪失証明欄」を記入することで、退職日が確認できる書類の提出に代えることができます。
資格確認書交付申請書
マイナ保険証を利用していない場合は、健康保険資格確認書交付申請書を添付することをお勧めします。
この申請書の添付は任意ですが、資格取得申出書と合わせて提出することで、資格確認書を通常よりも早く受け取ることができます。
資格確認書交付申請書の有無にかかわらず、任意継続の資格取得手続きは通常どおり行われます。
任意継続被保険者資格取得申出書を提出したあと
保険証が使えるようになるまで
任意継続のマイナ保険証や資格確認書が交付されるまでには、申出書の提出から1~3週間かかります(資格確認書交付申請書を提出していない場合は、資格確認書の送付まで30~50日ほどかかります)。
その間に病院にかかった場合は、全額をいったん自己負担した上で、後日、療養費の支給申請を行うことになります。
保険料の納付
期日までに保険料を納付しないと任意継続被保険者の資格を喪失することになるので、忘れずに納付しましょう。
口座振替依頼書を提出していても、振替の手続きが完了するまでは納付書で保険料を支払うことになります。
また、保険料の領収証書は年末調整や確定申告の際に必要となるので、保管しておきましょう。
各種手続き
資格喪失や被扶養者の追加・削除、氏名や住所の変更などの手続きを自身で行うことになります。
任意継続被保険者資格取得申出書の提出は必ず期限内に
健康保険の任意継続被保険者になるためには、資格取得申出書を期日までに必ず提出する必要があります。
手続きを忘れると、任意継続の保険に加入できなくなってしまうため、ご注意ください。
おすすめの書籍
様々な届出から保険料の納め方まで、健康保険・厚生年金保険の主な事務手続きを網羅した解説書。
1967年の初版から半世紀以上に渡り発行されている、信頼の一冊です。
[PR]当社は人事業界の家庭医です。調子が悪いな…と感じたらお気軽にご相談ください。