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019 事務手続

【歯科クリニック向け】算定基礎届とは?提出期限・手続き方法を徹底解説

焦って書類を書く白衣の男性のイラスト

はじめに

歯科クリニックの院長先生の日々は、多忙を極めます。

患者さんの治療、技術の向上、スタッフの育成、そしてクリニックの経営…。歯科医師として、経営者として、管理者として、まさに三役をこなされていることでしょう。

そんな忙しい毎日の中、「毎年6月になると年金事務所から届く算定基礎届、何となく提出しているけれど、実際のところよく分からない…」という院長先生も多いのではないでしょうか。

算定基礎届は年に1回だけの手続きですが、実は従業員の社会保険料に直接影響する重要な届出です。
適切に処理しなければ、保険料の過不足や後々のトラブルを招く恐れがあります。

この記事では、歯科クリニックにおける「健康保険/厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届」の手続きの基本から注意点まで、分かりやすく解説します。

算定基礎届とは?提出が必要な理由

「算定基礎届」とは、社会保険料(健康保険料1・厚生年金保険料)の保険料を正しく計算するために、4月から6月までの給与額(報酬月額)を年金事務所に報告する手続きです。

毎月の社会保険料は「標準報酬月額」という区分に基づいて決まりますが、この標準報酬月額を年に1回見直すのが算定基礎届の役割となります。

この届出によって決定した標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの1年間適用されます。

もしこの届出を怠った場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 年金事務所の調査対象となるリスク
  • 適切な社会保険料を納付できず、後から追徴や延滞金が発生する恐れ
  • スタッフの将来の年金額計算に影響が出る可能性(年金額が正しく計算されず、不利益を被る恐れ)

このように、算定基礎届はクリニックにとってもスタッフにとっても、重要な手続きといえます。

標準報酬月額や報酬の定義、社会保険料の計算方法はこちら
  1. 全国もしくは都道府県の歯科医師国民健康保険組合の保険料は除きます。 ↩︎

算定基礎届の提出方法と手続きの流れ

提出期限

毎年7月1日から7月10日までの間に提出します(7月10日が土・日曜日の場合はその翌日まで)。

提出先

クリニックの所在地を管轄する日本年金機構事務センターもしくは年金事務所へ、郵送もしくは窓口持参で提出します。

健康保険組合(東京都歯科医師健康保険組合など)に加入している場合は、年金事務所に加え、ご加入の健康保険組合にも算定基礎届を提出する必要があります。

また、電子申請による提出も可能です。

必要書類

基本的に「健康保険/厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届」のみで、特別な添付書類は不要です。

年間報酬の平均で算定する場合など、必要に応じて添付書類が求められるケースがあります。
定時決定のため、4月~6月の報酬月額の届出を行う際、年間報酬の平均で算定するとき(日本年金機構)

算定基礎届の様式と作成方法

算定基礎届の様式は、6月中に日本年金機構からクリニック宛に届きます。
また、日本年金機構のホームページからダウンロードすることも可能です。

記入すべき主な項目

  • 事業所整理記号・事業所番号、事業所所在地・名称
  • スタッフの被保険者整理番号・氏名・生年月日
  • 適用年月
  • 従前の標準報酬月額とその改定月
  • 4月から6月の各月の給与計算の基礎日数、報酬月額
  • 4月から6月の報酬の総計と平均額

歯科医院が知っておくべき算定基礎届の注意点

4月から6月の間に新しく採用したスタッフは、算定基礎届の対象になりますか?

算定基礎届の提出対象となるのは、7月1日時点で健康保険や厚生年金保険の被保険者であるスタッフです。
ただし例外として、6月1日以降に採用したスタッフについては、算定基礎届を提出する必要はありません。

パート・アルバイトのスタッフも、算定基礎届を提出する必要がありますか?

社会保険に加入していない場合は、算定基礎届の提出は不要です。なお、社会保険に加入しているパート・アルバイト(短時間就労者)は支払基礎日数の取扱いが正職員(通常の労働者)と異なりますので、注意が必要です。

歯科医師健康保険組合に加入していますが、年金事務所に算定基礎届を提出する必要はありますか?

歯科医師やスタッフが歯科医師健康保険組合に加入している場合でも、厚生年金保険に加入していれば算定基礎届の提出が必要です。
歯科医師健康保険組合と国民年金に加入している場合は、算定基礎届の手続きは不要です。

日々の事務作業、すべてプロにお任せしませんか?

算定基礎届をはじめとする社会保険の手続きは、一見シンプルに見えても、実は多くの細かなルールや例外規定があります。

日々の診療で多忙な院長先生が、すべての事務手続きを正確に、そして期日通りに完了させるのは大変な負担ではないでしょうか。

「患者さんの治療に集中したいのに、事務手続きに追われてしまう」
「うっかり提出を忘れてしまわないか心配」

このような悩みをお持ちの院長先生は、労務管理の専門家である社会保険労務士に、各種手続きをアウトソーシングするという選択肢をご検討ください。

事務手続きを当事務所にお任せいただくことで、院長先生はより診療に集中できるようになります。

ご相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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  • この記事を書いた人

福島智美

文学研究者(文学修士)から人事業界に転身。慢性期病院で給与計算や社会保険事務を担当後、リハビリ病院開設を経験。転職して山口の部下になった縁で共に起業。社会保険労務士試験合格。親族に歯科医師や薬剤師など多数。

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