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07_傷病時の制度

日本の公的医療保険

2024年12月18日

日本の公的医療保険アイキャッチ

日本の公的医療保険の特徴

公的医療保険の種類

日本の公的医療保険制度は、健康保険(サラリーマン)、国民健康保険(自営業者)、船員保険、後期高齢者医療(75歳以上の全国民)の4つである。なお、公務員は健康保険に加入するが、給付は公務員共済から行われるため、健康保険料も徴収されない。

公的医療保険制度の特徴

日本の公的医療保険制度は、世界的にとても優れた制度として知られており、その大きな特徴は次の3つである。

  1. 国民皆保険(国民全員が加入する)
  2. フリーアクセス(全国どこの医療機関でも受診できる)
  3. 保険診療制度(どの医療機関を受診しても同一の医療費)

健康保険の保険者

本記事では、サラリーマンを対象とした健康保険を中心に制度の概要を解説してゆく。健康保険制度を実施する機関(保険者)には、主に中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)と、大企業や業界団体が自前で設立・運営する健康保険組合の2つがある。

受けられる医療サービスと費用

公的医療保険の内容

公的医療保険の対象は、診療サービスおよび入院や救急搬送の費用、そして休業や出産、死亡に対する給付などである。なお健康保険については、傷病の原因が労災によるものに対しては、原則として保険給付を行わないとしている(=代わりに労災保険が適用される)。

保険給付と一部負担金

たとえば健康保険の被保険者(70歳未満)が、医療機関を受診すると、かかった医療費の7割が健康保険から給付され、残りの3割が患者負担となる。健康保険は扶養家族が医療サービスを受けた場合も、被保険者同様の保険給付が行われ、2〜3割を自己負担する。

患者負担を、被保険者は一部負担金、被扶養者は自己負担金という。なお国民健康保険と後期高齢者医療には、被扶養者の保険給付はない。

保険診療と自費診療

公的医療保険を利用できるのは、厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関に限られる。また保険医療機関であっても、美容や審美目的など、療養以外の医療行為は、保険診療の対象外とされ、原則として自費診療(医療費の10割=全額が患者負担)となる。

健康保険料のしくみ

健康保険の保険料

健康保険の財源は、前述の患者負担金と保険料および国庫(税金)である。保険料は、被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に応じた額となるが、これを労使で折半して負担する。つまり月々の給与や賞与から天引きされている保険料は、本来の額の1/2である。

保険料の改定

保険料の元となる報酬額が改定されることがある。ただし報酬改定の都度、いちいち標準報酬月額も改定すると事務が煩雑となる。そこで標準報酬月額の改定は、次の5つのタイミングで行うこととされている。

  1. 取得時決定(採用時)
  2. 定時決定(毎年7月※算定基礎届
  3. 随時改定(著しい報酬変動があった時※月額変更届
  4. 産前産後休業後の改定(復職後に時短勤務した時)
  5. 育児休業後の改定(  〃  )

保険料の納付義務者

保険料は労使が折半して負担するが、保険料の納付義務は事業主にある。被保険者が傷病などで長期休業し、報酬を支払わなかった場合(保険料の被用者負担分を徴収できなかった場合)でも、事業主は被用者負担分を立て替えて、保険料の全額を納付する義務がある。

日本の公的医療保険のまとめ

公的医療保険は強制加入

日本では、公的医療保険に強制加入することになっている。例えば健康保険の被保険者が勤務先を退職し、当面フリーでリスキリングに励む場合は、国民健康保険に加入しなければならない。そして再就職すると、再び新たな勤務先の加入する健康保険の被保険者となる。

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  • この記事を書いた人

山口光博

RWC合同会社/社労士事務所代表。社会保険労務士、日商販売士1級、建設業経理士1級ほか。コンビニ店長やスーパーの販売課長を経て、三十路で人事畑に転身。事業再生法人や上場準備企業で人事制度の再建に携わった後に起業。

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