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人事採用担当が呆れる…ZOZO創業者・前澤友作氏「面接室に入った瞬間に落とすヤツわかる」は100%時代遅れ(PRESIDENT Online/2023.08.18)

2024年1月22日

採用業務は定量化して検証することが難しいので、都市伝説のようなハウツーがまことしやかに流布されていますが、仮に1時間かけてみっちりと面接したところで、人材の良し悪しは簡単には見抜けません。

これまで新卒・中途合わせて1,000人以上の採用に関わってきた経験から申し上げると、採用の精度を上げるポイントは①具体的な求人情報の提示と②面接前のプロファイリングの2つにあると考えています。

前者は、求人広告において、求人ポジションを担うのに必要な知識、経験、資格、性格、価値観などをできるだけ具体的に明示することで、応募の段階でのミスマッチを予防しようというものです。

後者は、書類審査で応募者のプロファイリングを行い、応募者のスキルやマインドについて自社なりの仮説を立てておき、面接での具体的なインタビューを通じて仮説の真偽を検証する作業です。

この2つのプロセスによって、自社が理想とする人材を獲得する確率はかなり向上します(面接は仮説を検証する作業です。その場の思いつきで質問を考えているようでは、プロの面接官とはいえません)。

なお面接の精度の追求はほどほどに、7割程度で良しとしましょう。

なぜなら人材の良し悪しなど、1時間程度の面接で容易に判るものではありませんし、さらにヒトは自力で学び成長することもできるため、カネやモノなど、他の経営リソースと違い、将来の資産価値は予測不可能です。

よって企業側には、採用時の評価は下振れする可能性もある、という前提で、できるだけ程度の良い仕掛品を仕入れて、社内教育を通じて自前で完成品に仕上げてゆく、という発想の転換が必要です。

  • この記事を書いた人

山口光博

コンビニの店長やスーパーの販売課長を経て、31歳の時に管理畑に転職する。以後、20年以上にわたってあらゆる人事マネジメントの実務に携わる。上場準備企業の人事部長として人事制度改革を担当した後に独立、現在に至る。

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