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北海道当別町、生成AI導入で業務効率化 時間8割減も(日本経済新聞/2024/1/12)

北海道の当別町は、札幌市の北西24kmほどにある人口1万7千人くらいの自然豊かな小さな町です。最近は北海道医療大学が当別町からの転出を表明して揺れていますが、日経新聞によると生成AIを活用して大幅な業務効率化に成功したようです。

生成AIといえば、ChatGPTやBARDなどがよく知られており、これらを使いこなしている人は、具体的かつロジカルな表現でもって適切なプロンプト(作業指示)を入力するのが上手な人たちです。

一方で生成AIに文章の校正をさせるだけではDXになりません。よって既存の業務の目的とゴールを明確にし、フローをMECEで整理して、ヒトと生成AIの業務分担を仕分けするといった、入念な下準備が必要となります。

文章だけで説明するとDXのためのToDoは単純明快ですが、実際にこれを実行するとなると、職場に長年染み付いた属人的な仕事のやり方を改めなければならないため、古参を中心にしばしば炎上することがあります。

私も事業再生法人や上場準備企業で組織改革に参画したことがあり、どちらも炎上しまくって散々でしたので、比較的保守的な小さな町の役場で、生成AIの導入を成功させた方は、たいした力量だなぁと思います。

ところで、総務省統計局がリリースしている統計データは、いまだに「ネ申エクセル」と呼ばれるセル結合だらけの様式で提供されています。しかしご存知のとおり、セル結合をデータベースに用いるのはNGです。

「ネ申エクセル」は、データを紙に印刷して使用することを前提としているために生まれた日本独特の使い方であると思われますが、今どき分厚い紙の資料など、恐ろしいくらいに使いようがありません。

総務省統計局の方々も、ぜひ当別町役場の事例を参考に、より効率的なデータ提供方法を検討していただきたいものです。

  • この記事を書いた人

山口光博

コンビニの店長やスーパーの販売課長を経て、31歳の時に管理畑に転職する。以後、20年以上にわたってあらゆる人事マネジメントの実務に携わる。上場準備企業の人事部長として人事制度改革を担当した後に独立、現在に至る。

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