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小売業界ではたらく②業界の光と影

2024年12月3日

小売業ではたらこう②アイキャッチ

業界の特性から見える小売業の光と影

産業構造を知れば働きやすさがわかる

小売業(本記事ではスーパーマーケット業態)の主な特徴は、薄利多売の収益構造、大勢のスタッフによって成り立つ労働集約型産業、店舗や売場設備に多額の投資を要する装置産業、商圏規模の盛衰に連動して出店戦略も変わってくる、などである。

元販売課長が語る業界の光と影

これら小売業の特徴は、そのまま業界で働く人達の生活に影響するため、小売業界で働こうと考えるのであれば、業界特有の事情にも精通しておく必要がある。本記事では、10年以上にわたって販売の現場で働いた筆者の経験をもとに、この業界の光と影を考察してみた。

小売業界で働くメリット

合理主義的な風土

日本の小売業の中では後発業態だったスーパーマーケットでは、米国式マネジメント手法を積極的に採り入れ、経験と勘、気合と根性といった精神論的な仕事のやり方を排除し、理論と実践にもとづく科学的アプローチを推進してきたため、合理主義的な風土が強い。

充実した短期育成人材教育

チェーンストア業界では、不採算店はさっさと閉鎖し、より有望な商圏に積極的に新規出店を行うスクラップアンドビルド戦略が主流である。この戦略を支えるために、出店先で採用した人材を短期戦力化すべく、充実した研修プログラムを整備している企業が多い。

若くしてマネジメント経験を積める

売場主任によっては10名超のスタッフを上手に使わねばならないため、若手でも一般企業の課長クラスのマネジメントスキルが身につく。また中規模店の店長クラスとなると、パート・アルバイトを含めて総勢で100名以上となるため、中小経営者の疑似体験ができる。

小売業界で働くデメリット

地味な単純作業

小売業の販売管理は、販売計画→販売活動→販売分析→業務改善をPDCAで回してゆくことなので、計数管理やチームマネジメントのスキルが身につくが、一方で仕事の圧倒的大部分は、日々の商品陳列や売場のクリンネスなどの地道な単純作業の繰り返しである。

低賃金

そもそも廉価で薄利な商品を、大掛かりな施設と大勢のスタッフで販売する小売業では、執行役員から一般社員まで、他の産業に比べて給与水準が低い傾向にある。オーナー一族でもない限り、高級ブランドの腕時計や高級外車、タワマン生活などとは無縁である。

長時間労働

小売業といえば昔から過重労働のブラック産業として知られている。キャリアチェンジしようにも、リスキリングに充てる時間もお金も無いため、販売員のままキャリアを終える人も少なくない。「お客様の笑顔が私達の喜び」などといったやりがい搾取の職場も散見される。

小売業ではたらこう②業界の光と影のまとめ

顧客満足が先か?従業員満足が先か?

小売業は若くして販売管理やチームマネジメントを習得できる魅力的な業界だが、一方で前述のようなブラック要素もそれなりに多い。小売経営者に申し上げたいのは、CSとESなら迷わずESを優先すべしということ。それは不幸な人間が他人を幸福にできるはずがないから。

おすすめの書籍

本気で小売業界への就職を考えるなら、日本商工会議所主催の販売士検定2級にも挑戦してみたい。3級では学べなかった本格的な計数管理や経営法務、労務管理などもふんだんに盛り込まれている。結果が全ての小売業界では、専門知識✕豊富な経験=ノウハウの蓄積がモノを言う。


  • この記事を書いた人

山口光博

コンビニやスーパーの販売職を経て三十路を機に人事業界に転身。20年以上にわたり人事部門で勤務先の人事制度改革に携わった後に起業。社会保険労務士試験合格。日商販売士1級、建設業経理士1級、FP技能士2級など多数取得。

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