新入社員の教科書

新入社員の教科書⑬ 社会人のための法律のトリセツ


 

法律を知らずに生きるリスク

 

六法全書

法律は他人同士が共生するためのルール

人間の社会は、生まれ育った背景や価値観の異なる他人同士の集合体ですので、時には互いの利害が対立して争いが起こることもあります。

当事者同士が話し合って円満に解決できれば良いのですが、価値観や利害の異なる者同士が、お互いに納得できるような合意に至ることは稀です。

また己の欲望のままに他人を傷つけたり、権利を侵害するようなことは、人間の社会においてはあってはならないことです。

健全な社会を営むために、社会の構成メンバーそれぞれに保障された権利や守るべき義務、そして利害が対立した時の裁定ルールを定めたものが法律なのです。

みなさんが入社した時に、勤め先から雇用契約書(控)を渡されたと思いますが、これも法律に則って企業と労働者の間で取引契約を交わしているのです。

 

法は道徳の最低限

道徳は個人によって善し悪しのモノサシが異なります。また道徳に背いても処罰されるようなことはありません。

一方、法律は合法か違法かの判断基準が具体的かつ明確に定められていて、違法行為は逮捕されたり、場合によっては極刑に処せられることもあります。

このように道徳はあくまでも「人はこうあるべき」という規範ですが、法律は社会において守らねばならない規律ですので、「法は道徳の最低限」と言われます。

 

法は権利の上に眠る者を保護しない

法律は「知らなかった」では済まされません。

ですから法律が絡むような事案の時は、かならず顧問弁護士や所轄の官公署に相談し、法的に問題がないか確認するのが仕事のセオリーです。

一方でこれは義務の履行だけではなく、権利の行使についてもあてはまることです。

つまり「知らなかった」ことによって権利を行使しなかった場合、法律は助けてくれません。

「法律は権利の上に眠る者を保護しない」とも言われますが、法律は「権利をほったらかしにして、きちんと行使しない人のことなど知らないよ…」というクールなスタンスです。

 

日本の法体系

日本の法律は、主に憲法、刑法、民法、行政法から構成されています。

実際には商法や会社法、消費者保護法に労働基準法など、世の中には数え切れないほどの法律が存在しますが、これらは元をたどれば上記の4法典にたどり着きます。

 

憲法

憲法は日本の法体系の頂点に位置する法律で、いかなる法律、条約、政令、省令、条例も、日本国憲法の趣旨に反したものは認められません。

 

刑法

刑法は強行法規といって、殺人、強盗、放火など、どのような事情であれ、絶対的に禁止される行為を規定したものです。

通常、強行法規違反には重い刑罰(懲役、罰金)が科されます。

 

民法

民法は個人間の権利と義務や、トラブルを解決するためのルールを定めた法律です。

刑法と違って、民法に「こうしなさい…」と定められていても、当事者同士が了解すれば、法律とは異なる取り決めをしても構いません。これを任意法規といいます。

 

行政法

行政法は行政機関が許認可や行政指導などを行う際に、越権行為や怠慢によって国民の権利を侵すことのないように、行政行為の手順やルールを定めたものです。

そして行政機関に対して不服申し立てや損害賠償請求をする時の手続きも定められています。

 

知っておきたい法律の基本ルール

 

法廷の様子

罪刑法定主義

法律に定められていないことに対して、罪に問われ、刑罰を科されることはありません。

この考え方は会社においても同様で、就業規則の懲戒規定に定められていない行為については、たとえ社長であっても好き勝手に社員を懲戒することはできません。

 

強行法規と任意法規

殺人罪や窃盗罪など、どのような事情であれ絶対的に禁止される行為を定めた法律を強行法規といい、強行法規に違反した場合は刑罰が科されます。

一方、民法に則って金銭消費貸借契約をむすんでお金の貸し借りをしたが、当事者同士が返済免除に合意したのであれば、それで構わない…というものを任意法規といいます。

労働基準法は強行法規であり、労働契約法は任意法規になります。

 

自力救済の禁止

いわゆる「実力行使に訴える」ことを自力救済といいますが、日本ではこれを禁止しています。

権利を守り、発生した損害について賠償してもらう場合は、警察や裁判所を通して権利を行使しなければなりません。

労働組合のストライキについては、法律で実力行使が認められています。「自力救済禁止」の例外です。

 

新法は旧法に優先する

社会情勢の変化に合わせて法律も常に改正されたり、新しい法律が制定されていますが、この場合、新しい法律が旧い法律に優先して適用されます。

 

特別法は一般法に優先する

労働基準法を知っているサラリーマンは多いと思いますが、実は民法の中にも雇用契約についての定めがあることをご存知でしたか?(民法第627条)

そもそも民法は明治29年施行の非常に古い法律ですが(もちろん時代に合わせて何度も改正されて今に至ります)、当時は自営業者が多かったので雇用関係の条文は実に簡素でした。

それが産業の近代化とともにサラリーマンが増え、民法だけでは労働に関する法令をカバーできなくなったので、昭和22年に民法の特別法として労働基準法が施行されたのです。

 

成文法と判例法

成文法とは刑法や民法のように法典としてまとめられたものをいいます。

ですが世の中に起こるあらゆることを、あらかじめ法典としてまとめておくことは不可能です。

そこで裁判において、法典に規定されていないケースについては、過去の裁判の判決事例をもとに判断するようになりました。

それがいつしか裁判事例=判例として、法典に準ずる効力をもつようになったのです。

 

法の不遡及

日本においては、新たに制定された法律によって過去の行為が罪に問われ、処罰されることはありません。

なぜならこれを認めると、権力者が自分に都合のよい法律を作り、政敵を葬ることができるようになってしまうからです。(お隣の韓国では遡及されるらしいですが…)

 

法律は知っている者に味方する

 

男性弁護士

この後の回で労働基準法や労働契約法について解説してゆきますが、これまで説明してきた法律の取り扱いルールは全ての法規に共通するものです。

よって今後の仕事の中で、例えば医療法や建設業法などの業務関連法規に関わる場合でも、取り扱い方は一緒ですのでよく覚えておきましょう。

そして最後に一番大事なことをひとつ。

法律は万人の味方ではなく、あくまでも知っている者の味方だということです。

END

 

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