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003_休日休暇のFAQ

【パパ育休】5月31日(日)の公休から開始。休日開始でも5月分の社会保険料免除は受けられる?

人事相談FAQでは、実際に運営者(RWC合同会社・RWC社労士事務所)が取り扱った人事相談のうち、頻出の事案あるいは重要と思われる事案を厳選し、医療業界に置き換えてご紹介しています。

依頼者からのご相談

疑問な白衣の女性

当院に勤務する男性の歯科医師から、「子供が生まれるので、産後パパ育休(出生時育児休業)を分割して取得したい」との申し出がありました。

具体的な希望日程は以下の通りです。

  • 1回目: 5月31日(日)の1日間
  • 2回目: 6月下旬から2週間程度

当院は日曜日が休診日(公休)であり、就業規則でも日曜日を「法定休日」と定めています。本人からは「5月31日の日曜日(月末日)から育休を開始すれば、5月分の社会保険料が免除されると聞いたので、1日目は日曜日に設定したい」と言われました。

事務長からは、「そもそも仕事がない休みの日から育休を開始できるのか?」「月末の1日だけで本当に1ヶ月分の保険料が免除されるのか、最近ルールが変わったのではないか」と相談を受けています。

  1. 日曜日のような「公休日(法定休日)」を育休の開始日に設定することは可能でしょうか?
  2. 月末の1日だけ育休を取得した場合、その月の社会保険料は免除されますか?
  3. 法改正による「新ルール(14日ルール)」について、注意点を教えてください。

相談への回答

できるビジネスパースン

育児休業制度の活用が進む中で、社会保険料免除の仕組みを正しく理解することは、スタッフの経済的メリットとクリニックのコスト管理の双方にとって重要です。

公休日(休日)開始の育休は有効か

結論から申し上げますと、日曜日のような公休日や法定休日を育児休業の開始日(あるいは期間に含めること)に設定することは、法的に全く問題ありません

年次有給休暇は「労働義務のある日」の義務を免除するものですが、育児休業は「一定期間」の労務提供義務を消滅させる制度です。法令や通達においても「土日等の休日も育児休業期間に含む」とされており、公休日からスタートさせることも有効です。

月末1日の取得と「14日ルール」の注意点

ここが実務上、最も誤解が生じやすいポイントです。2022年10月の法改正により、短期間の育休取得による免除ルールが厳格化されました。

  • 同月内に開始・終了する場合(今回のご相談のケース): 育休の開始日と終了日が同じ月内にある場合、その月の育休期間が「14日以上」なければ、月次の社会保険料は免除されません。 ご相談の「5月31日の1日間(1回目)」の取得では、14日に満たないため、5月分の保険料は免除対象外となります。
  • 月を跨いで取得する場合(例:5月31日〜6月1日): もし育休が月末日(5月31日)を含み、かつ終了日が翌月(6月)になる場合は、「月末日が含まれている」という原則に基づき、たとえ2日間だけの休業であっても5月分の保険料は免除されます。 ※ただし、この場合も「同月内完結」ではないため、14日ルールの適用外となります。

賞与(ボーナス)時の免除ルールはさらに厳格

もし5月に賞与を支給する場合、その賞与分の保険料免除を受けるには、月次保険料とは異なる基準が適用されます。 賞与保険料の免除を受けるには、「連続して1ヶ月を超える育児休業」を取得していなければなりません。今回のような数日〜2週間程度の分割取得では、賞与分の保険料は免除されない点に注意が必要です。


本件のポイント

気づきを得た白衣の女性
  • 育児休業は公休日(日曜日など)から開始することができ、その日を「開始日」として届け出ることが可能である
  • 月末の1日だけ育休を取得して同月内に終了する場合(5/31のみ等)、14日以上の取得がない限り、その月の社会保険料は免除されない
  • 月末日を含んで「月を跨ぐ」取得(5/31〜6/1等)であれば、14日未満であっても月末が属する月の保険料は免除される
  • 賞与保険料の免除には「1ヶ月超」の連続した休業が必要であり、月次保険料の免除要件とは切り離して考える必要がある
  • 産後パパ育休(出生時育児休業)を2回に分割して取得する場合、それぞれの期間について上記ルールの判定が行われる

スタッフへ説明する際は、「月末の1日だけ」で免除を受けるには「月を跨ぐ(翌月1日まで休む)」必要があることを伝えると、手続き上のトラブルを防ぐことができます。

本記事の内容は投稿時点の法令にもとづき要点のみを平易な表現で執筆しています。実務においては所轄の官公署にご相談のうえ、貴院の実情に応じて適切にご対応願います。なお弊社でもオンライン人事相談を実施中です。詳しくは弊社ホームページよりご確認ください。


  • この記事を書いた人

山口光博/社会保険労務士/医療労務コンサルタント

医療法人の総務課長→医事課長→法人本部人事課長を歴任後、上場準備企業の人事部長を経て開業。歯科・歯科口腔外科部門の事務マネジャー経験あり。

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