人事相談FAQでは、実際に運営者(RWC合同会社・RWC社労士事務所)が取り扱った人事相談のうち、頻出の事案あるいは重要と思われる事案を厳選し、医療業界に置き換えてご紹介しています。
依頼者からのご相談

当院(歯科クリニック)は「当月末日締切・当月25日支給」の月給制です。ところで5月1日に歯科衛生士を採用し、社会保険の加入手続き(資格取得手続き)を行ったのですが、このスタッフの社会保険料はいつの給与から控除すれば良いのでしょうか?また、もし月の途中で社会保険に加入した場合は、社会保険料は日割り計算するのでしょうか?
ご相談への回答

結論から申し上げると、この歯科衛生士の社会保険料(被保険者負担分)は6月25日支給の給与から控除します。ただし事業主負担分については、当月の経費に計上する必要があります。また社会保険料は月単位で算定して納付するため、日割り計算はありません。
社会保険料が発生する仕組み
社会保険料は月単位で算定し納付します。従って月の途中で被保険者資格を取得(あるいは喪失)した場合でも、社会保険料を日割り計算するようなことはしません。また社会保険料の発生は、月末時点の被保険者資格の有無で確定します。
社会保険料は事業主と被保険者で折半してそれぞれが負担します。社会保険料の内訳は健康保険料、介護保険料(40歳以上)、子ども子育て支援金、厚生年金保険料ですが、これらのいずれも労使がそれぞれ1/2ずつ負担します。
なぜ翌月の給与で控除するのか?
健康保険法や厚生年金保険法は「事業主は、被保険者に対して報酬を支払う都度、被保険者の負担すべき前月分の保険料を控除することができる」と規定しています。これは貴院のように「当月末日締切・当月25日支払」の月給制では、給与の支給日の時点では当月の社会保険料が確定しておらず、月末前に退職した場合などの清算が煩雑になります。
ただし、当月に発生した社会保険料のうち、事業主負担分については当月の経費(法定福利費)に計上します。なお社会保険料の納期限は発生月の翌月末日迄なので、この時点では相手科目を「未払費用」とします。そして翌月25日支給の給与から控除した当月の社会保険料(被保険者負担分)とを合算し、末日迄に日本年金機構に納付することになります。
まとめ:5月1日に社会保険に加入した場合
- 5月31日
- 月末時点の被保険者資格に基づき5月分の社会保険料が発生
- 事業主負担分(社会保険料の2分の1)を5月度の法定福利費に計上
- 6月25日
- 被保険者負担分(社会保険料の2分の1)を給与から控除
- 6月30日
- 事業主が事業主負担分と被保険者負担分を合算して日本年金機構に納付
本件のポイント

- 社会保険料は月の末日時点の被保険者資格の有無に基づき発生し、月単位で算定して納付する(日割り計算は行わない)。
- 社会保険料は労使で折半して負担するが、事業主負担分は発生月の経費として計上し、被保険者負担分は翌月に支給する給与から控除する。
- 社会保険料は発生した月の翌月末日までに、事業主が事業主負担分と被保険者負担分を合算して、日本年金機構に納付しなければならない。
本記事の内容は投稿時点の法令にもとづき要点のみを平易な表現で執筆しています。実務においては所轄の官公署にご相談のうえ、貴院の実情に応じて適切にご対応願います。なお弊社でもオンライン人事相談を実施中です。詳しくは弊社ホームページよりご確認ください。


