
労働保険年度更新は6/1-7/10迄
労働保険年度更新とは、前年度の賃金総額をもとに算定した労働保険料の確定額を申告し、すでに前納した概算保険料と相殺する作業をいいます。一方で多くの経営者はこんなことを言われてもピンとこないのが実情ではないでしょうか?
実は経営者に限らず、労働保険年度更新を苦手としている事務担当者は少なくありません。月ごとに保険料を徴収して納付する社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)と異なり、労働保険料に関する事務はちょっと複雑だからです。
労働保険料の内訳はどうなっている?
労働保険は、労災保険と雇用保険で構成されています。このうち労災保険料は事業主が全額負担しますが、雇用保険料は雇用保険給付にかかる保険料を労使で折半し、付帯事業たる雇用保険二事業の財源となる保険料を事業主が負担することになっています。
雇用保険給付とは失業した時の基本手当や、育児介護休業時の休業給付金、また最近リスキリングで注目されている教育訓練給付金などをいいます。また雇用保険二事業は能力開発事業と雇用安定事業をいい、たとえば雇用関係助成金などがその代表格です。
労働保険年度更新のながれ
労働保険料は1年間の賃金総額に、事業ごとに定められた労災保険料率と雇用保険料率をそれぞれ乗じて算定します。ただしあらかじめ賃金総額の見込み額にもとづき算定された概算保険料を前納しておき、1年後に確定保険料と相殺するのが大きな特徴といえます。
これは源泉所得税の年末調整とよく似ています。年末調整が1月~12月にかけて控除した概算の源泉税と、年末に確定した年税額との相殺を行うのに対し、労働保険料の場合は、毎年4月~翌年3月を単位とし、事前に納付した概算保険料と1年後に確定した保険料とを相殺します。
労働保険料の会計処理
労働保険料の会計仕訳もちょっと複雑です。一般的には事前に納付した概算保険料を仮払金で計上しておき、月々の給与から控除した雇用保険(労働者負担分)を職員預り金で、また事業主負担分を法定福利費で計上してから、月ごとに仮払金と相殺(振替仕訳)します。
なお労災保険には中小事業主の特別加入制度があったり、概算労働保険料を三期に分納(延納制度)したりと、事務作業がとても煩雑です。そこでぜひ我々社労士の活用をご検討ください。特に小規模事業者の場合は、専門家に委託することで経営効率もアップするでしょう。
おすすめの書籍
労働保険のうち、労災保険料率は前年据え置きですが、雇用保険料は改定されました。また賃金総額の計算に関して、業種によっては特別な計算方法を用いるケースもあります。本書は最新法令にもとづき、申告書様式の記入例も交えながらわかりやすく解説しています。
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