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03_賃金計算

通勤手当

2024年12月5日

通勤手当アイキャッチ画像

そもそも通勤手当はどんな手当?

通勤の定義

労働者災害補償保険法では、「通勤」を、労働者が就業するために、合理的な経路と手段によって移動する行為であるとし、具体的には、住居と就業場所との往復もしくはこれに先行あるいは後続する住居間の移動であるとし、業務の性質を有するものを除くとしている。

住居と就業場所との往復に”先行あるいは後続する住居間の移動”とは、単身赴任先のアパートから自宅に帰省する場合や、自宅から単身赴任先のアパートへ戻る行為をいう。

通勤手当の支払い義務

事業主は、労働者に通勤手当を支払う義務はない。民法によると、労働者は、事業主に対して賃金を受け取る債権を有する一方で、労働サービスを提供する債務を負っている。この債務は持参債務とされ、債務者が債権者を訪問(出勤)して債務を履行することになっている。

通勤手当と旅費交通費のちがい

事業主は労働者の通勤費を支弁する義務が無いため、労働法令や社会保険制度では、通勤手当を支給する場合は賃金(報酬)とみなすとしている。旅費交通費は業務上の経費であり、出先で労働者が交通費を立て替えた場合は、後日に経費精算する(よって所得や賃金ではない)。

給与計算における通勤手当

通勤手段と源泉所得税

税法において通勤手当は、一定額までは労働者が立替払いした通勤費を支弁するものとし、それを超える部分については労働者の所得とみなしている。通常、公共交通機関の定期代は全額が非課税とされ、マイカー通勤の場合は一定額を超える部分が所得として課税される。

通勤手当と社会保険料

労働法令および社会保険各法(健康保険法、厚生年金保険法、労働保険徴収法)において、通勤手当は報酬もしくは賃金として、保険料算定の基礎とみなすとしている。なお通勤手当を支給する旨を、就業規則(賃金規程)に明記した場合は、事業主に支払い義務が生じる。

労働基準法の通勤手当

労働基準法では、平均賃金の算定においては通勤手当を含めるものとし、時間外手当など割増賃金を算定する際の基礎賃金の額は、通勤手当を除外するものとしている。なおテレワークの場合、主たる就業場所がオフィスなら通勤手当、自宅なら旅費交通費となる。

通勤手当のまとめ

法令や制度により取り扱いが違う

通勤手当は一般的すぎて、あまり深く考えたことが無い…という人は少なくない。一方で通勤手当は、賃金制度の設計や給与計算を行う上で避けては通れず、民法と労働基準法、所得税法、社会保険各法における取り扱いの相違に注目して認識を整理しておく必要がある。

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札幌在住の筆者は、クルマを運転している時間がもったいないので移動は公共交通機関一択。常にモバイルを携行して、地下鉄のホームだろうが、電車の車内だろうが、スキマ時間を活用して仕事に励むが、もうひとつこだわっているのが携行性抜群の軽量でタフな折り畳み傘。


  • この記事を書いた人

山口光博

コンビニやスーパーの販売職を経て三十路を機に人事業界に転身。20年以上にわたり人事部門で勤務先の人事制度改革に携わった後に起業。社会保険労務士試験合格。日商販売士1級、建設業経理士1級、FP技能士2級など多数取得。

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