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001(制度概要)_労働基準

法定休日の原則と例外、休暇・休業・休職とのちがい

本記事では、労働基準法に定める「法定休日」の原則と例外、また現在、40年ぶりの労働基準法改正において議論されている連続勤務の問題点、さらに休日・休暇・休業などの類似した概念の使い分け、振替休日の扱いについてそのポイントを解説します。

法定休日の原則と例外

労働基準法に規定する法定休日とは?

労働基準法における休日とは、労働契約において「労働義務を負わない日」を指します。そして労働基準法は、使用者は労働者に対して「毎週少なくとも1回」の休日を与えなければならないと定めており、この休日のことを「法定休日」といいます。

なお、具体的に法定休日が何曜日なのかは法令には明記されていません。したがって自院の事情に応じて特定の曜日を法定休日とすることができますが、この場合は具体的な曜日や日を就業規則に明記する必要があります。

48日間連続勤務させても違法ではない

週1回の法定休日の付与が困難な場合、例外として「変形休日制」を採用することが認められています。これは「4週間を通じ4日以上」の休日を与えれば、週1回の原則を適用しないという特例です(変形休日制を採用すると、前述の原則ルールは適用されません)。

しかし、この特例には大きな問題が存在します。休日の配置次第では、理論上「最長48日間」もの連続勤務が可能になってしまいます(4週間=28日間のうち最初の4日間と、これに続く次の28日間のうち最後の4日間を休日とすることで48日間の連続勤務となります)。

40年ぶりの労働基準法大改正での議論

過度な連続勤務による過重労働を防ぐため、現在、労働政策審議会(労働条件分科会)において労働基準法の抜本的な改正案として、連続勤務に対する上限の新設が審議されており、約40年ぶりの労基法大改正の目玉トピックとして実現がほぼ確実視されているようです。

もし改正案が成立すると「連続14日以上の勤務を禁止する」というルールに改められます。これは労災保険における「精神障害の労災認定基準」において、連続2週間の勤務(14日連勤)が心理的負荷を評価する重要な判断要素とされていることに起因するそうです。

休日と休暇の違いを説明できますか?

休日と休暇の違いを正確に説明できる人は意外に少ないものです。ほかにも休業、欠勤、休職など、労務管理の実務においては、類似したキーワードが頻出するので混乱しそうですが、これらの定義が曖昧だと賃金未払いが生じることもあるため要注意です。

  • 休日
    • 労働義務:なし
    • 賃金支払義務:原則として無給
    • 事例:日曜日、祝日、自院が定めた年末年始の休診日など
    • 特徴:就業規則で「労働しない日」と定められている日です
  • 休暇
    • 労働義務:免除
    • 賃金支払義務:無給(年次有給休暇を除く)
    • 事例:年次有給休暇、夏季休暇、慶弔休暇、生理休暇など
    • 特徴:労働者からの申出あるいは申請で労働義務が免除されます
  • 休業
    • 労働義務:免除
    • 賃金支払義務:無給(事業主都合は休業手当の支払いが必要)
    • 事例:産前産後休業、育児・介護休業、事業主都合の休業など
    • 特徴:法律などにもとづき一定期間、労働義務が免除される状態です
  • 欠勤
    • 労働義務:あり
    • 賃金支払義務:無給(欠勤控除)
    • 事例:労働者の都合で就労できない日
    • 特徴:労働者の事情により、休暇や休業以外に就労しない日をいいます
  • 休職
    • 労働義務:免除
    • 賃金支払義務:無給
    • 事例:私傷病による長期療養や資格取得のための休職など
    • 特徴:長期欠勤の場合が該当します

法定休日に関する実務的トピック

法定休日労働には賃金の割増義務が…

労働基準法は、労働者を法定休日に労働させた場合、事業主は通常の賃金の3割5分以上の割増賃金を支払わなければならない義務を定めています。この規定の趣旨は時間外労働の割増賃金と同様に、心身の疲労を回復すべき法定休日に労働させることへの抑制です。

人事担当者の間でも非常に誤解が多い論点ですが、法定休日労働が8時間を超えた場合に時間外割増は不要です。そもそも法定休日に法定労働時間も法定外労働も存在しませんので、始業時刻から終業時刻まで一律に3割5分以上の法定休日割増が適用されます。

注意すべきは法定休日労働が深夜時間帯(22時~翌5時)に及んだ場合です。これについては労働日であろうと法定休日であろうと、深夜時間帯に労働させていることには変わりありませんので、法定休日割増35%+深夜割増25%=60%の割増賃金が必要です。

休日当番医制度に振替休日を活用する

法定休日と労働日を事前に振り替えることで、法定休日割増が免除されます。これを振替休日といいますが、あくまでも事前に振り替えるのがルールです。事後の代休は法定休日労働の事実は変わりませんので、法定休日割増の支払い義務を免れることはできません。

なお地域の歯科医師会が主導する「休日診療(休日当番医)」輪番制に参加しているクリニックでは法定休日労働が発生するケースがありますので、この場合はこの振替休日制度が、法定休日ルールの履行と人件費コントロールに大いに貢献することでしょう。

名ばかり管理職になっていませんか?

労働基準法上の「管理監督者」に該当する職員(院長、副院長、事務長、歯科衛生士長など)には、労働時間、休憩、休日に関する規定が適用されませんので、法定休日に労働させても法定休日割増は不要です(深夜割増は除外されませんのでご注意ください)。

ただし管理監督者とは、管理職に相応しい権限と処遇が与えられている者をいいます。勤務時間の多寡によって賃金の支給額が変動するような場合は管理監督者とはみなされず(名ばかり管理職)、過去に遡及して未払い賃金の支払いを当局から命じられることもあります。

法定休日の管理は、法令遵守と人件費コントロールの要です。自院の就業規則の整備において、休日・休暇・休業・休職・欠勤の的確な使い分けは、予期せぬ労働トラブルの防止と安定したクリニック経営に欠かせない必須の要件なのです。

本記事の内容は投稿時点の法令にもとづき要点のみを平易な表現で執筆しています。実務においては所轄の官公署にご相談のうえ、貴院の実情に応じて適切にご対応願います。なお弊社でもオンライン人事相談を実施中です。詳しくは弊社ホームページよりご確認ください。


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  • この記事を書いた人

山口光博/社会保険労務士/医療労務コンサルタント

医療法人の総務課長→医事課長→法人本部人事課長を歴任後、上場準備企業の人事部長を経て開業。歯科・歯科口腔外科部門の事務マネジャー経験あり。

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