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01 人事のしごと

【歯科クリニック向け】社会保険資格取得届の手続きを解説 国民健康保険組合加入時の注意点は?

焦って書類を書く白衣の男性のイラスト

歯科クリニックにおける社会保険手続きの重要性

歯科クリニックで新しいスタッフを採用した際、避けて通れないのが社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続きです。

特に歯科クリニックの場合、「歯科医師国民健康保険組合(以下、歯科医師国保組合)」と「厚生年金保険」を組み合わせて加入するケースが多く、手続きが複雑になりがちです。

提出期限を守らなければスタッフに迷惑をかけてしまいますし、提出書類に不備があると修正や再提出の手間が発生します。

本記事では、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の基本について、歯科クリニック特有の注意点を交えながらわかりやすく解説します。

国保組合の加入手続きはこちら

健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届とは?基本を押さえる

被保険者資格取得届が必要になる場面

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」は、スタッフが社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する際に提出する書類です。

具体的には、次のような場面で必要となります。

  • 新規採用時:スタッフを新たに雇用したとき
  • 雇用形態・労働条件の変更時:パートから正社員への転換など、労働条件の変更により社会保険の加入要件を満たしたとき

社会保険の加入対象となる基準

社会保険の加入対象(被保険者)となる基準は、以下の通りです。

  • 常時使用されるスタッフ
    • 正職員フルタイムのパート・アルバイトのスタッフは、雇用契約書の有無や賃金の額を問わず被保険者となります。
    • 事業主(院長先生)も加入対象です。
  • パート・アルバイトのスタッフ
    • 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が正職員の4分の3以上であれば、被保険者となります。

歯科医師国保組合に加入するクリニックの注意点

歯科クリニックの多くは、法人化やスタッフの増加(常時5人以上)に伴い、健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられます

ただし、健康保険については適用除外の承認を受けることで、歯科医師国保組合への加入を継続することができます。

この場合、社会保険については厚生年金保険の資格取得手続きのみを行うことになります。

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の提出手続き

提出期限

資格を取得した日から5日以内に提出します。

なお、原則として、採用日や労働条件変更日が資格取得日となります。

提出先

クリニックの所在地を管轄する日本年金機構の事務センターもしくは年金事務所へ、郵送や窓口持参で提出します。

また、電子申請による提出も可能です。

届出様式

所定の「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を使用します。

なお、資格取得届には、スタッフの個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号や、資格確認書の発行希望の有無を記入する必要がありますので、あらかじめ本人から情報を収集しておきましょう。

添付書類

原則として不要ですが、下記に該当する場合は添付書類が必要となります。

歯科医師国保組合に加入する場合

  • 健康保険被保険者適用除外承認申請書

健康保険の適用除外の承認を受け、歯科医師国保組合に加入する場合に必要です。

あらかじめ国保組合から証明(理事長印)を受けた上で、社会保険の資格取得日から14日以内に提出する必要があります。

様式は日本年金機構のホームページや加入する国保組合から入手できます。

被扶養者となる家族がいる場合

  • 健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)
  • 国民年金第3号被保険者関係届

様式は日本年印機構のホームページに掲載されています。

また、扶養に入る家族の状況により、続柄や収入などの確認書類の添付を求められることがあります。

60歳以上のスタッフを退職と同時に再雇用する場合

下記どちらかの書類が必要となります。

  • 退職日の確認ができる書類の写し(就業規則や退職辞令など)、および、雇用契約書の写し(継続して再雇用されたことが分かるもの)
  • 継続再雇用に関する事業主の証明書(退職日と再雇用日がわかるもの)

提出後の流れ

資格取得届が受理されると、年金事務所から資格取得確認および標準報酬決定の通知書が届きます。

通知書に記載された標準報酬月額をスタッフに通知するとともに、この月額を基に健康保険料・厚生年金保険料を計算して給与から控除します(歯科医師国保組合に加入の場合は厚生年金保険料のみ)。

また、健康保険に加入した場合は、「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」が届きますので、スタッフに交付しましょう。

よくある質問

パートやアルバイトのスタッフも社会保険に加入させる必要がありますか?

週の所定労働時間および月の所定労働日数が正職員の4分の3以上であれば、社会保険への加入が義務付けられています。

また、社会保険の被保険者数が51人以上の事業所では、以下の条件をすべて満たすスタッフは加入対象となります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上(残業代や賞与などを除く)
・学生でないこと。

歯科医師国保と厚生年金に加入する場合、どのような手続きが必要ですか?

資格取得届に「健康保険被保険者適用除外承認申請書」を添付し、健康保険の適用を除外するための承認を受けます。
この申請書は、年金事務所へ提出する前に国保組合の証明を受ける必要があります。
初めて適用除外承認を受ける際は、加入する国保組合に事前に手続きの流れを確認することをお勧めします。

提出期限に間に合わなかった場合はどうなりますか?

資格取得届の提出が遅れると、スタッフが病院受診の際にいったん全額自己負担しなければならなかったり、社会保険料の請求に遅延が生じるなどの不都合が生じる可能性があります。
実務上、数日程度の遅れであれば受理されることが多いですが、大幅に遅れる際は年金事務所に相談しましょう。

なお、健康保険被保険者適用除外承認申請書は、やむを得ない理由がある場合を除き、14日以内の提出が必須です。必ず期限内に手続きを行いましょう。

試用期間中のスタッフも資格取得の手続きが必要ですか?

試用期間中であっても、報酬(給与や賃金)が支払われていれば社会保険の被保険者となります
採用日(試用期間の開始時)を資格取得日として、資格取得届を提出しましょう。

煩雑な事務作業は専門家に任せませんか?

社会保険の資格取得手続きは、提出期限の厳守と正確な届出が求められます。

特に歯科クリニックでは、健康保険の適用除外承認を受けて歯科医師国保組合と厚生年金保険に加入するケースも多く、手続きに時間を取られがちです。

「本来であれば診療や経営戦略に集中したいのに、煩雑な事務手続きに追われてしまう」――そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。

当事務所は、歯科クリニックをはじめとする医療業界の労務管理に精通した社会保険労務士事務所です。

資格取得届をはじめとする社会保険の各種手続き、雇用保険の届出、給与計算、就業規則の作成・改定、助成金の申請など、歯科クリニック特有の事情を踏まえた人事労務サポートを提供しています。

事務作業の負担を軽減し、院長先生が本来の業務に専念できる環境づくりをお手伝いします。

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  • この記事を書いた人

福島智美

文学研究者(文学修士)から人事業界に転身。慢性期病院で給与計算や社会保険事務を担当後、リハビリ病院開設を経験。転職して山口の部下になった縁で共に起業。社会保険労務士試験合格。親族に歯科医師や薬剤師など多数。

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