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003_休日休暇のFAQ

【産休手続】産休前に取得した有給休暇を早産を理由に産前休業に振り替えることは可能?

人事相談FAQでは、実際に運営者(RWC合同会社・RWC社労士事務所)が取り扱った人事相談のうち、頻出の事案あるいは重要と思われる事案を厳選し、医療業界に置き換えてご紹介しています。

依頼者からのご相談

疑問な白衣の女性

当院に勤務する歯科衛生士が産前休業に入るにあたり、その直前に10日間の年次有給休暇を取得しました。

しかし、出産予定日より1ヶ月以上早い緊急帝王切開での出産となったため、本人から「出産手当金が減ってしまうため、年次有給休暇を取り消して、最終出勤日の翌日から産前休業に入った扱いに変更できませんか?」と相談を受けました。

産前休業は「出産予定日を含む6週間前から可能」である。という認識ですが、このように早産となった場合にいったん取得した年次有給休暇を取り消し、産前休業の開始日を繰り上げて出産手当金を申請することは可能でしょうか?

ご相談への回答

できるビジネスパースン

結論から申し上げると、労使間で合意が成立しているのであれば、年次有給休暇を取り消し、産前休業に振り替えても問題ありません。産前休業は出産予定日を含む6週間前から実施できますが、出産日が早まった場合は実際の出産日が遡及して適用されます。

この場合、健康保険の出産手当金の支給対象期間も実際の出産日を基準として再計算されます。すでにこの方は年次有給休暇を取得した10日間は就労していませんので、年次有給休暇を取り消す(有給手当は返納します)ことで、出産手当金の支給要件を満たします。

出産手当金は健康保険(協会けんぽ、健康保険組合)の制度です。国民健康保険では任意給付ですが実態として実施している市町村はほぼありません。また北海道歯科医師国保のような国保組合については、自院の加入している保険者にご確認下さい。

なお、年次有給休暇は「労働の義務のある日」にその義務を「免除」する制度ですが、産前休業は妊婦たる労働者が請求した場合に「労働の義務が消滅」するものです。したがってご相談の10日間が産前休業に含まれることとなり、本人から請求があった以上、年次有給休暇を取得する余地はありません。

本件のポイント

気づきを得た白衣の女性
  • 労働基準法の産前休業は、出産予定日を含む6週間前から実施できるが、出産日が出産予定日より早まった場合は、出産日を基点に産前休業の開始日が変更になる。
  • 健康保険の出産手当金は、産前休業を行った妊婦たる労働者が、休業期間中に給料を支払われなかった場合に健康保険から支給される。
  • 年次有給休暇は労働の義務を免除する制度なので、そもそも労働の義務の無い日(産前・産後休業期間)には取得できない。
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  • この記事を書いた人

山口光博/社会保険労務士/人事コンサルタント

医療法人の総務課長→医事課長→法人本部人事課長を歴任後、上場準備企業の人事部長を経て開業。歯科・歯科口腔外科部門の事務マネジャー経験あり。

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